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英国の軟着陸的EU離脱、独の沈黙で視界不良に

ロイター
2016年9月1日
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英国に欧州連合(EU)離脱プロセスを始動させることは、飛行機のエンジンを切るようなものだ――ある欧州の上級外交官は言う。写真はメイ英首相(左)とメルケル独首相、ベルリンで7月撮影(2016年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[ベルリン 29日 ロイター] - 英国に欧州連合(EU)離脱プロセスを始動させることは、飛行機のエンジンを切るようなものだ――ある欧州の上級外交官は言う。切るのは、滑走路が見えてからにしなさい。さもなければ、乗客乗員が悲惨な事態に陥る危険性がある、ということだ。

 離脱手続きに必要なEU基本条約(リスボン条約)50条を英国が発動させるのは、2年後の離脱に向けて時計のアラームをセットすることだ。強行着陸を避けるため、英国とEU双方の高官らは進め方を慎重に模索している。

 選択肢には、50条を発動しない「架空の楽園」を目指す方法も入っている。すなわち、裏ルートでの交渉を通じてどのシナリオが現実になり得るかを見極め、いったん仮の結論を出しておいて、もっと永続的な着地点へと飛び移るという綱渡りだ。

 ただ、欧州で最も影響力のある指導者、ドイツのアンゲラ・メルケル首相にとって、この選択肢はまったくあり得ない。

 メルケル首相に近い筋は、「こんな方法はEUには受け入れられない」と話す。

 メルケル首相などEU指導者らは、英国が離脱プロセスを実際に発動させるまで、予想される結果について協議しない考えだ。そのため、英政府がブレグジットをいつ、どう着地させるのかという問題は複雑化している。

 メルケル首相に近い筋は、匿名を条件として「われわれは事前協議はしない」と述べた。別の独政府高官も、同国では事前交渉は固く禁じられていると主張した。

 事前協議ができない場合、英政府は第2の選択肢に取り組まざるを得ない。それは、EUの官僚主義のすき間をのぞき込みながら、ブレグジット後の「着地」オプションにどんなものがあるかを見極める、ということだ。

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