ドイツのメルケル首相が、シリア内戦を逃れてきた数十万人の難民にドイツの国境を開放するという重大な決断を下してから、4日でちょうど1年がたつ。写真はイタリアのマラネッロで8月撮影(2016年 ロイター/Max Rossi)

[グライフスバルト(ドイツ) 1日 ロイター] - ドイツのメルケル首相が、シリア内戦を逃れてきた数十万人の難民にドイツの国境を開放するという重大な決断を下してから、4日でちょうど1年がたつ。この決断によって首相はいま、その指導力に批判や疑問が投げかけられている。

 押し寄せる移民や難民を受け入れた際、「対処できる」と気軽に約束した首相の頭には、どのような考えがあったのか。

 姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)からの絶え間ない批判や支持率低下に直面する中、首相は来年4期目目指し立候補するのか。そして、今月の地方選を切り抜けられるのだろうか。

 首相がプレッシャーを感じているとすれば、表に出さないようにしているのだろう。ドイツと欧州、そして世界にとっての劇的な変化が進行中かもしれないが、メルケル首相に変化はみられない。堅実で少し退屈だが、何事にもうろたえることなく、何より勤勉だ。首相のファンにとって、これらの性質は最大の美点と言える。

 だがCSUや、反移民の立場を表明している反ユーロ政党「ドイツのための選択肢(AfD)」などにとって、首相は頑固で、普通のドイツ人が感じている懸念に鈍感だ。

「首相の移民政策にはみんなとても不満を持っている」。首相が選挙活動で訪れた北部グライフスバルトに住む無職のヘルムート・シュレーダーさん(61)は言う。「あんな重大なことを、たった1人で決めてしまったなんて。ドイツは王国ではないのに」