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韓国住宅ブームに供給過剰の影、家計債務の膨張懸念も

ロイター
2016年9月3日
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ソウル南方の衛星都市・龍仁では、オレンジ色の建設用クレーンが立ち並び、光り輝く高層ビルの建設を競い合うように進めている。だが、政策当局が警戒している住宅供給過剰の兆候が見えるという。写真は龍仁で建設中の高層住宅の広告の前を歩く男性。24日撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[龍仁(韓国) 29日 ロイター] - ソウル南方の衛星都市・龍仁では、オレンジ色の建設用クレーンが立ち並び、光り輝く高層ビルの建設を競い合うように進めている。だが、不動産仲介業者のKim Woong-jib氏は、マンション購入予定者には既存の物件を勧めているという。

 政府のデータによれば、100万人都市の龍仁では5301戸の新築物件が売れ残っているという。これは韓国でも最高水準であり、政策当局が警戒している住宅供給過剰の兆候だ。

 過去に類を見ない超低金利に刺激された不動産デベロッパーは、記録的なペースでマンション建設を進めており、停滞する同国経済における1つの明るい要素となっている。

 しかし、この住宅建設ブームは同時に借入れの増大を招いている。韓国の家計債務は、すでに新興市場国のなかでも最高レベルに達しており、消費者支出を圧迫しかねない。政府も、悪影響をもたらすブーム崩壊を回避するための措置に着手している。

 龍仁のような都市では、新築マンションの建設ラッシュによって、中古価格にも悪影響が出る可能性がある。

 10年前から龍仁で不動産仲介業を営むKim氏は、「建設し過ぎており、無責任だ」と憤慨する。「損失が見込まれるので、とても自分の顧客に、こうした新築物件を勧めることはできない」

 今年上半期に韓国で発売された住宅総数は、3.7%増の29万9000戸だった。政府のデータによれば、2015年の新規住宅着工件数は過去最高の72万戸だった。

 だが、経済の停滞と、OECD加盟国の中でも最も速いペースで進行する人口の高齢化が、住宅需要を圧迫し続けている。

 また、香港やシンガポール、シドニーといった市場とは異なり、韓国では移民の流入が少なく、販売と価格に刺激を与える外国人購入者もほとんどいない。

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