「睡眠時間」より「睡眠効率」を改善するという考え方

1.6時間半の睡眠をとるための「就寝時刻」と「起床時刻」を決める
2.必ず「就寝時刻」までにベッドに入り、どんなに辛くとも朝は必ず「起床時刻」にベッドから出る
3.ベッドに入ってから15分たっても入眠できなければ、ベッドから出て、本を読むなり音楽を聴くなり好きなことをしていいそうだ。そうして眠くなったらまたベッドに入る。これを繰り返す。
4.1週間実践してみて、「睡眠効率(=実際の睡眠時間÷横になっていた時間×100)」が85%以上だったら「就寝時刻」を15分早め、「睡眠効率」が80%以下だったら「就寝時間」を15分遅らせる

 この治療法は、ダラダラ睡眠の時間をカットして「睡眠効率」を上げることを目的としている。つまり、ベッドの中で寝つけず無駄に過ごしている時間をなくすという、忙しい現代人にとって理想的な睡眠スタイルを身に着ける治療法なのだ。

 今、まさに私はこの不眠治療法を絶賛実行中である。夜は必ず1時までにベッドに入り、朝は7時半に起きる。正直言って、かなりきつい。毎朝くじけそうになるが、本書に書かれていた「早朝にポジティブなTO DOを用意する」という目覚め法に従い、朝食に大好きな菓子パンを摂ることにして、何とかベッドから這い出している。すると、当然睡眠時間が大きく減ったからか、開始3日目にして、ベッドに入って30分ほどでウトウトするようになった。これまでは2時間近くもかかっていたというのに! 

 もちろん本書には、自分の睡眠スタイルを見つける方法だけでなく、スッキリと目覚めるワザや、どうしても睡眠時間がとれないときのパフォーマンスを下げない寝方まで、他にも新しい快眠術情報がたくさん載っている。たとえばプレゼンなど勝負日があるとき、私たちはその前日にしっかり寝ようと考えるが、そのためには前々日を少し寝不足にしておくことが鍵であること。また睡魔が襲ってきてパフォーマンス力が落ちる午後2~4時の制し方についての解説も、大変役に立った。

 本書に従った私の不眠療法は始まったばかりで、まだまだ夜中に何度も目を覚ますし、日中の眠気も克服できていない。それでも寝つくまでの時間がだいぶ短くなったことで、「ああ、今日も眠れない、どうしよう」というストレスがかなり軽減されたし、寝られないときはベッドから出て大好きな読書をして良いので、無駄な時間も少し減って嬉しい。何より、この睡眠療法により「睡眠効率」を上げることができたならば、これまでより2時間以上も睡眠時間を減らすことができ、日中の活動時間が圧倒的に増える。これまで睡眠のために多くの時間を取られ、起きている時間は仕事にあてるだけで精一杯だったが、2時間も時間が増えればやりたいと思っていた様々なことができるだろう。早くその日が訪れることを楽しみに、本書のHOW TOを実践している毎日だ。
(文/山本奈緒子)