周囲から見て「困った人」とレッテルを貼られやすいバブル世代の“バブルさん”、ゆとり世代の“ゆとりちゃん”。当連載では、そ んな2つの世代を対象に、 就職氷河期世代の“氷河期くん”(またはその他の世代)が会社の人間関係をどううまく対処すべきなのかを研究していく。親愛なるバブルさん、ゆとりちゃん、どうか温かい目で見守って欲しい。そして同志である氷河期くんには、ぜひ考え方の合わない上司&部下に対処するときに、参考にしていただきたい。

 僕はインターネットの記事を作る編集プロダクションを営んでいて、現在、社員は5人。春から人を増やすことになったので、採用面接を行った。小さな会社だか ら、僕が社長兼面接官だ。22歳のゆとり世代を何人か面接した。折からの不景気で内定が決まっていないという彼らの現状に少しかわいそうな気持ちになっ た。

 会社の運営上、不採用にはなったものの、こういう小さな会社に志望してくれたのも何かの縁だろうということで、そのうちの何人かは後日ご飯をおごったり、同業で求人はないか探してみたりとか、進路の相談に乗ったりと個人的な付き合いがある。

 そこで、そのうちのひとりに当コラムにゆとりちゃんを代表して登場いただくことにした。最もゆとり世代っぽいなと思った上岡さん(仮名)。彼女はアルバイト先からあだ名で「姫」と呼ばれていて、まあ簡単に言えばマイペースな性格の女性である。就活の苦労話や、悲壮感に溢れる状況をお伝えしようかと思ったが、さすがは姫と呼ばれる上岡さんだけあって、内定が取れずに焦る多くの大学4年生とは違い、あまり危機感は感じていないようだ。

大学4年の秋に「内定なし」でも危機感ゼロ!?<br />親公認で就活から逃げた“正統派ゆとりちゃん”の生態

<今回のゆとりちゃん>
上岡 有紀さん(仮名)
年齢:22歳(1988年生)
業種:学生
最終学歴:都内私立大学4年生
出身:東京都
現在の住まい:実家暮らし
家族構成:父、母、姉、本人(母方の祖父母と二世帯住宅)

「内定なし」でも何とかなると思っちゃう
第三者推薦の『ゆとりちゃん』の実態

――さっそくだけど、このコーナーの出演することを上岡さんの周囲に話したら、「確かに上岡さんはいかにも『ゆとり』っぽいよね」とゼミの同級生やお母さんやお姉ちゃんに言われたらしいね。いったい自分のどのあたりがゆとりっぽいのかな?

 自分ではゆとりっぽいと思ってないんですよ。しっかりしていると思っているんですけどね。周囲から見るとマイペースに見えるみたいで。みんな私のことをなんにもできない子だと思ってるんですよ(苦笑)。でも、長く付きあっている仲の良い子は、「意外と何でもできる」と評価してくれます。

――でも、お母さんやお姉ちゃんは友達よりもよく知った上で、やっぱり「ゆとりっぽい」と評価したわけだよね。何でだろう?

 家でぐうたらしているからですかね。

――たぶん大学4年生で、まだ内定が決まっていないのに、焦ってないように見えるからだと思うよ。内定が決まらないことに対して焦りはある?

 何とかなるって思っちゃってる自分が居ます。私の周囲でも内定を取れない子が何人か居て、ついに就活をあきらめて、フリーターになるとか、大学院に行くとか、別の道を模索する子が増えました。まだ22歳で若いし、これから何とでもなる気がするから、しばらくはフリーターでも、スキルアップして、イイ会社に就職できるかもしれないし……。