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首都大学東京
都市環境科学研究科
都市基盤環境学域
石倉智樹 准教授

1974年生まれ。東北大学工学部土木工学科卒業、博士(情報科学)。国土交通省国土技術政策総合研究所、東京大学大学院工学系研究科都市持続再生研究センター特任准教授を経て現職。専門分野は土木計画学・経済分析。研究テーマは、社会基盤政策に関する空間経済分析、動的経済分析、空港・港湾政策。

高度経済成長期に集中的に整備が進められた社会インフラのストックが、今、一斉に老朽化している。ゲリラ豪雨など、防災面でのインフラ整備も急務となっている。今後インフラの維持管理や更新は、いかにして推進されるべきなのか?

 日本では高度経済成長期を中心に、集中的に社会インフラの整備が進められた。その社会インフラのストックが、約50年を経過した現在、一斉に老朽化している。

 国土交通省は2014年5月に「インフラ長寿命化基本計画(行動計画)」を策定、インフラの維持管理・更新を推進しているが、同省の試算では、11年度から60年度までの50年間に必要な維持管理・更新費は約190兆円と推計され、そのうち更新できないストック量は約30兆円に上るという。


インフラ整備は
メンテナンスに移行

 「グラフ(下図参照)を見てもらうと分かるように、日本のインフラ投資は、もはや新設よりも維持管理や更新のコストの方が高くなりつつある。今がちょうどターニングポイントで、今後社会インフラに関わる事業は、メンテナンスに重点が置かれるようになるはずです」と指摘するのは、首都大学東京都市環境科学研究科の石倉智樹准教授だ。

 メンテナンスで課題となるのは、維持管理の技術はもちろん、費用対効果のマネジメントだ。「インフラの中には、景気対策で投資したが利用が少なく、維持管理のコストがかさんでいる例もある。老朽化したからといって更新して延命を図るだけでなく、点検しながら使い続ける、費用負担を見直して廃棄する、という選択もあり得る」と語る。

 耐用年数と実際の寿命は違う。適切な維持管理や点検が必要であり、人的資源も必要。特に地方公共団体では、維持管理を行うための専門家の人材が不足し、予算の不足によって点検すらままならないケースも増えている。その部分の調整も重要になる。

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