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BTM(ビジネストラベルマネジメント)という言葉はある程度、浸透したが、企業への導入は意外と進んでいない。 コスト削減やガバナンスの向上に利点があるBTMは、グローバル経営では必須の項目となる。 日本企業におけるBTMの現状と課題はどうなっているのか。

 企業が、出張管理を戦略的にマネジメントするBTM(ビジネストラベルマネジメント)を導入するメリットは、大きく分けて5点ほどある。①コスト削減、②MIS(経営情報システム)データの提供、③トラベルポリシーの遵守、④出張者の危機安全管理、⑤出張者および関係者の満足度向上だ。

 その中でも最近注目されているのが、③のトラベルポリシーに関する部分で、BTMによって企業のコンプライアンスの遵守向上が図れるという点だ。

 BTM業界に詳しいBTMA Japan代表の森栄蔵氏はこう指摘する。「BTM先進国の米国では、1990年代後半から企業経営者の不正が噴出して、企業改革法であるSOX法ができた。その流れで企業がBTMを導入し、ガバナンスとコンプライアンスの遵守向上が図られました。BTM導入の目的の第一はコスト削減ですが、企業の信頼感を醸成する基本ともなるのです」

旅行ITテクノロジーの進化 でBTM導入も促進される

 だが、なぜ米国と違って日本では普及が進まないのか? 米国では80年代からBPO(業務外部委託)が進み、ビジネストラベルを扱う部署も例外ではなかった。また、航空券の発券から旅行代理店が外される中、代理店側も存続するためにBTMのプロフェッショナル化を図った。そうした背景があり、米国ではBTMが急速に普及した。

 「一方、日本企業の多くは、企業グループ内の余剰人員とキャッシュフロー対策として、インハウスエージェンシーを設立したため、BTMの必要性が生まれなかった」と森氏。

 だがIT化が進んだことで、事態は変わりつつある。航空券やホテルの手配はスマートフォンやパソコンでできるようになり、出張費精算もIT化され、出張のプロセスがアナログからデジタルへと進化した。これによりBTMの導入も促進される可能性は高い。

 グローバル経営が進展する中、森氏はこう提言する。

 「日本企業がBTMを採用しない場合、想像できる問題点は、海外法人の社員に対するガバナンスです。M&Aで海外へ進出しても、出張規定が定まっていなければ、業務全体にも影響を及ぼすでしょう。

 日本企業もグローバル展開をするなら、BTMの導入を検討することでコストの削減と業務効率のアップにつながり、結果的に本業の売り上げにも貢献するはずです」


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