日銀は金融緩和政策の一環として、REIT(不動産投資信託)の500億円買い付けを決めた。その効果は間接的ながらも期待できそうである。

 REITの利点は不動産セクターの株式と同様のリターンが期待できる一方で、利益の90%以上を分配金とすることにより法人税を免除できることから一般企業の配当以上の高配当が享受できることにある。
グラフに見るように、配当利回りの平均は5%を超えており、東証平均の2%よりも高い。では、他の国もそうなのかというとそうではない。オーストラリアREITの利回りは高いが株価指数の配当も10年国債の利回りも高い。

 REITと国債のスプレッド(REITの配当利回り-10年国債の利回り)を見てもわかるとおり、日本市場における直近の乖離は大きく、国債と比較してもお得感が高い。REITと株価指数のパフォーマンスを比較してもリーマンショック前はREITのほうが高い時期があり、現状でも遜色ない。