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金融市場異論百出

国債暴落に不良債権問題
それでもアイルランドは笑う

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年11月22日
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 ドイツのメルケル首相の提唱の下に10月下旬に合意形成されたユーロ加盟国に対する恒久的救済メカニズム設立に、アイルランドのコーエン首相は当初は歓迎の意を表明していた。5月設置のIMF拠出分も含む救済プログラム(2011年まで)を恒久化することは、本来はユーロを安定させる。

 しかし、被救済国の国債を保有する民間投資家に負担を求める方針が示されたため、アイルランド国債の価格は暴落した。11月12日にユーロ圏の財務大臣が、民間に負担は求めないと緊急声明を出してようやく一服感が出たものの、まだ楽観はできない。英「エコノミスト」誌によると、今年第3四半期の同国の住宅価格は前年同期比17%の大幅下落だった。銀行の不良債権は膨張しやすい状況だ。

 「アイリッシュ・インディペンデント」紙(11月15日付)は1面で、財務大臣がEUに銀行救済用資金を求めようとしていると報じた。同政府の資金繰りは来年まで大丈夫なので、国ではなく銀行救済をお願いしたいという苦肉の案。IMF管理下を回避しつつ、救済を得る道を探っている様子だ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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