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AAAは危険のサイン!?
腹部大動脈瘤は破裂前に治す

監修 古森公浩(名古屋大学大学院医学研究科血管外科学分野教授)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第19回】

トリプルA(AAA)とは腹部大動脈瘤の略。腹部大動脈瘤は動脈硬化が主原因なので、50歳を過ぎてから男女共に急増するが、男性の発症頻度が5倍ほど高い。両親のいずれかがAAAである場合、本人が発症する確率は15~25%と、遺伝も影響すると考えられている。

 定期健診で高血圧と動脈硬化が指摘されている、ちょいメタボのSさん(55歳)。薬も飲んでいるのだが、この春の健診でトリプルAが見つかってしまった──。

 医者からトリプルAを言い渡されたら要注意。決してムーディーズの最上級格付けではない。トリプルA(AAA)はすなわちAbdominal Aortic Aneurysm、腹部大動脈瘤の略なのだ。

 腹部大動脈瘤は、動脈の直径が部分的に通常の1.5倍以上の3~5センチメートルに拡張した状態を指す。細長いチューブの1ヵ所だけが風船のようにふくれた状態をイメージするとわかりやすい。約90%は左右の腎臓に枝分かれしている動脈の下流に発生する。動脈硬化が主要因なので、50歳を過ぎてから男女共に直線的に増加するが、男性の発症頻度が5倍ほど高い。また、両親のいずれかがAAAである場合、本人がAAAを発症する確率は15~25%と、遺伝的要因も影響すると考えられている。

 AAAは破裂するまで自覚症状がほとんどない。このため、ほかの病気で受診した先のCTや腹部エコーで偶然に発見されることが多い。破裂したときの症状は、急激な腹痛と背中の痛みだ。脇腹や足の付け根に痛みが走ることもある。破裂後は一過性に血圧が下がり、数時間かけて出血性ショックに陥る。破裂から緊急手術までの時間が生命を決するが、手術までたどり着ける人は2人に1人。運よく手術を受けられたとしても術後30~50%が死亡する。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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