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日銀副総裁は検証後の「緩和強化」強調、枠組み修正視野

ロイター
2016年9月8日
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9月8日、日銀の中曽宏副総裁は、金融機関収益に配慮してマイナス金利を深掘りしないとの考えはとらないと発言した。日銀本店、6月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai/File)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は8日の講演で、金融機関収益に配慮してマイナス金利を深掘りしないとの考えはとらないと発言した。9月20、21日の金融政策決定会合の政策検証で、緩和姿勢が後退するのではないか、との市場観測を否定したかたちだ。

 同時に検証に基づいて政策の枠組み修正が必要か判断するとも言明。利回り曲線の平たん化による副作用にも配慮しながら、枠組みを模索している方向性がうかがえる。

 この日の講演で、中曽副総裁はマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の推進にあたり「金融仲介機能に与える影響にも配慮しながら、最も適切なものにしていく」と述べる一方、「『金融機関収益への影響を考えれば、マイナス金利の深掘りはできない』という一律の考えはとりえない」と強調した。

 マイナス金利による金融機関収益への影響などコストを意識しながらも、「なおそうした手段を必要とすることは十分ありうる」と、物価2%の早期達成の観点から、必要であればマイナス金利の深掘りを含む追加緩和を辞さない姿勢を明確にした。

 市場では、黒田東彦総裁による今月5日の講演と8月27日のジャクソンホールでの講演とのギャップに注目が集まった。米国での講演では副作用への言及が一切なかったのに対し、5日にはマイナス金利導入以降の急速な金利低下について、金融機関収益や保険・年金の運用利回り低下などを政策のコストと明確に位置づけた。これを受けた市場の一部では、政策検証によって日銀の緩和姿勢が後退するのではないか、との思惑が広がっていた。

 中曽副総裁の発言をみると、こうした市場観測を修正する意図がみられ、緩和姿勢の後退ではなく、緩和強化であるということを意識させる内容となった。

 発言全体をみると、利回り曲線(イールドカーブ)平坦化による金融機関収益への影響などに配慮しつつ、効率的に緩和強化を模索している方向性も浮かび上がる。

 さらに検証結果に基づいて、マイナス金利付きQQEの枠組みを修正する必要があるかどうか判断すると表明。

 同時にマイナス金利と長期国債買い入れの組み合わせによるイールドカーブの低下圧力が極めて強力であるとの認識も明らかにした。緩和政策を強化しつつ、これまでの3次元緩和の枠組み修正にも含みを持たせる発言といえる。

 黒田総裁と中曽副総裁の相次ぐ講演を受け、検証の全体像が見えてきた。ただ、検証結果を踏まえた政策対応は依然として不透明。

 中曽副総裁は、講演後に記者団から国債や外債の買い入れの扱いについて問われたものの、具体的な言及を避けた。

 黒田総裁が指摘した3次元以外の「アイデア」を含め、コストも意識した3次元緩和のバランス修正などが新たな枠組みのポイントになりそうだ。

(竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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