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バフェット自慢の投資先、シーズキャンディーズの
美味しいビジネスモデル

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第122回】 2010年11月24日
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 サンフランシスコはチョコレート激戦区だ。日本でも名前が知られているギラルデッリ・チョコレートを初め、シャーフェンベルガー、ギタード、XOX、ココアベラ、チョーなど、新旧、大手、中堅、アルチザン風チョコレートメーカーが入り交じって、それぞれの魅力をふりまいている。

 その中で、1920年代からコンスタントな人気を保ってきたのがシーズキャンディーズ(See's CANDIES)だ。日本にも進出しているのでご存知の方も多いだろうが、シーズキャンディーズと言えば、カリフォルニアの空気と、ちょっと懐かしい時代を彷彿させるチョコレートとして全米でも知れ渡っている。

 シーズキャンディーズが創設されたのは1921年秋、ロサンゼルスでのことだった。その前年、チャールズ・シーは菓子職人としての腕を試そうと、カナダからアメリカに移住していた。妻のフローレンス、そしてチャールズの母親のメリーも一緒だった。

 ロサンゼルスのウェスタン通りに開店した店は、白と黒だけのインテリア。ピカピカで清潔感のあるこの店内デザインは、母親のキッチンをそのまま模したものだったという。店のインテリアだけではない。母から受け継いだチョコレートのレシピも使ったし、何よりものんびりしたおばあさん然としたメリーの写真を、チョコレートボックスの蓋に印刷した。

 高い品質の原料を使ったチョコレート・キャンディーはすぐさま人気を呼び、1920年代末までには15店舗を構えるまでに。さらに大恐慌時代後の1930年代も成長し続け、店舗数はその倍にまで拡大した。

 サンフランシスコを含むカリフォルニア州が好景気に沸いたのは、第二次世界大戦後である。復員した兵士たちが家庭を築き、方々に新しい町やショッピングセンターができた。そんな上昇気流に乗ってシーズキャンディーズもどんどんと売り上げを伸ばし、チョコレートメーカーとして不動の地位を築くことになったのだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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