「命の視点」から
日本の農産物は安全とアピールせよ

 先のTPPの件、グローバル化の農業部門における対策が、前述のとおり、規模拡大、効率化の推進です。

 そこに補助金がジャブジャブ使われようとしています。
しかし、その方向性が土台無理なのは、ウルグアイラウンドのときに証明済。

 拙著『農で1200万円!』 の中で詳しく触れていますが、日本の農家とオーストラリア農家の一戸あたりの耕地面積の差は1308倍(もちろんオーストラリアのほうが大きい)。
 まさに桁違い!
 大陸と違い、世界的に見れば、急坂とも言える日本。
 そこに水平でなくてはならない水田や畑をいくら合併したところで、そこまでいかないでしょう。
 規模拡大による経営効率や価格だけで勝負するには無理があります。

 その路線で戦うのではなく、日本の農産物は遺伝子組換作物が一切なく、ネオニコチノイド系の農薬など、環境や人体に影響が強いとされているものは使っていない。つまり、命の視点から日本の農産物は安全だとする。

 これからの日本農業は、その方向でしか生き残れません。
 そして、その方向に日本の農政が舵を切ったとき、まさに「明後日の時代」がやってくると、私は信じているのです。