既存コインパーキングより
安い料金設定はなぜ実現できるのか?

 「軒先パーキング」が2012年10月に、「akippa」が14年4月にサービスを開始し、急成長を続けていることで、駐車場シェアリングというサービスの認知度が高まりつつある。

 コインパーキングを新たに開設するには、車輪止めなどの設備や機材に300万円ほどの初期費用がかかるが、スマートフォン経由でのクレジットカード決済とすることでそれがゼロになり、しかもアプリで検索対象になることで費用をかけずに宣伝までも行えることが、駐車場オーナーにとっての大きなメリットだ。

 一方ドライバーにとっては、駐車料金が周辺の相場より安く設定されているうえに、コインパーキングと違って予約ができることが何よりの嬉しさだ。駐車場探しのために早めに着く必要もなく、すぐにクルマを駐められるからだ。

 野球場やコンサート会場などのイベント施設は、開催日に来場者が集中するため、コインパーキングなどの駐車施設がオーバーフローし、クルマで来たものの駐める場所がないという事態が頻発していた。それが、個人宅の駐車場でさえも簡単に転用できる駐車場シェアリングの仕組みのおかげで、誰もが参入できるようになり、需給のミスマッチ解消に一役買うとともに、遊休駐車場の所有者にビジネスチャンスをもたらすことになったのだ。

 akippaはそうしたニーズをつかんで駐車場物件数を全国で7000拠点(16年9月初旬時点)にまで増やしており、コインパーキング業界でタイムズ、三井のリパークに次ぐ第3位となっている。サービス開始から2年半弱でのことだから、驚異的な成長率と言えるだろう。

 ちなみにakippaも、軒先パーキングも、貸出しは1日単位となっている。ただしakippaは、16年3月から本拠地である大阪市内で15分単位の時間貸しの試験運用も始めており、対象エリアを東京や名古屋などに順次拡大していく予定でいる。時間貸しに対応できれば、冒頭の例のような短時間利用のビジネス客にも使ってもらえるから、コインパーキングと同じ土俵で戦えるようにもなる。イベントや観光地中心の従来のビジネスから大きく飛躍できるのだ。