経営×総務

「燗酒」は45度で真価を発揮!
温度の違いで酒の旨さは激変する

 前々回の本欄「“吟醸酒を燗で飲む”~」で燗酒をテーマに取り上げた。

 燗酒の温度帯が30度前後の「日向(ひなた)燗」から55度以上の「飛び切り燗」まで5度刻みで6つの呼称と特徴があることを表組で掲載したところ、「燗酒にこれだけのバリエーションがあるとは知らなかった」「大いに参考になった」という感想を頂戴した。

 ところが、その一方で「日本酒のイベントに出ていた13種類の酒を同じ温度帯でテイスティングしただけで燗酒を語るのはおこがましくはないか」、あるいはまた「『××』を高く評価する人間の舌は信用ならない」などという厳しいご指摘もいただいた。

 そこで、いま一度「燗酒」について視点を変えて取り上げることにした。「温度帯の違いで酒の味はどこまで変化するか」を検証するためである。

燗酒がますます美味しくなる時節ゆえ、懲りずにお付き合い願いたい。

2010年の「燗酒ランキング」
上位に登場したラインナップ

「亀泉」純米吟醸生原酒。スペックから察して「甘酸っぱいだけの酒では」と油断していたら裏切られる。酸・アミノ酸との秀逸なバランスにより爽やかな旨味となってキレもいい。しかも純米大吟醸規格なのに1575円(720ml)という涙もののプライス。

 本題に入る前に“美味しい燗酒”とは具体的にどの酒をいうのか。直近に発表された「燗酒ランキング」の最新データをWeb上で探してみた。

 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が主催する「アナタが選ぶ地酒大show2010秋」における「燗酒にして美味しい日本酒」部門では下記の結果だった。

●プラチナ賞 「大七(だいしち)」純米生酛 山田錦 1,800円(720ml)大七酒造(福島県)
●ゴールド賞 「仙禽(せんきん)」木桶仕込み 山廃純米 1,333円(720ml)せんきん(栃木県)
●シルバー賞 「上喜元(じょうきげん)」お燗純米 もち米四段仕込み 2,205円(1.8L)酒田酒造(山形県)
●シルバー賞 「亀泉(かめいずみ)」辛口 土佐の地酒 2,150円(1.8L)亀泉酒造(高知県)
●ブロンズ賞 「独楽蔵(こまぐら)玄」円熟純米吟醸 1,470円(720ml)杜の蔵(福岡県)
●ブロンズ賞 「萬歳楽(まんざいらく)剱」山廃純米 1,100円(720ml)小堀酒造店(石川県)

 以上の6本は、全国40超の蔵元(焼酎・泡盛蔵を含む)が出展して9月12日に開催された「地酒祭り秋の陣」において試飲したお気に入りの銘柄に投じた票を集計したもので、両研究会の利き酒師や一般の地酒ファンなどのべ3088名、(Web投票を含めた)総投票数7308票から選出された酒である。

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柳 紀久夫

1956年、東京・神田に生まれる。元「週刊ダイヤモンド」編集委員。大学在学中に日本酒に開眼。以来、酒屋放浪では飽き足らず、日本酒を媒介にしたネットワーク作りや日本酒イベントの発起、取材に便乗しての全国地酒探訪に注力。週末はひたすら極上の日本酒を求めて各地の酒販店・酒蔵を巡る。


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