【Day 5】
「次の休息」をよりよくするために

そうです、最終日です。前述の「毎日やること」を意識しながら、朝から日中をゆったり過ごしましょう。きっと明日からはじまる日常(仕事や家事)について考えてしまうと思います。しかし、5日間にわたってありとあらゆるマインドフルネス瞑想を続けた結果、日常そのものの捉え方が変わっているはずです。

[夜]非日常から徐々に日常モードに戻る儀式をします。おすすめは、ノートを用意して「次の5日間休息」の計画を立てることです。「炎」を燃やし続けるためには、「空間」が必要でした。その空間を先回りしてつくってしまうわけです。おそらく、5日間を通じて「ここはこうすればいいかも…」という気づきもあったかもしれません。それらも次の計画に盛り込みましょう。

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いかがでしたでしょうか?

究極の憩いの場は、世界のどこかにあるわけではありません。どれだけリゾート地や温泉、マッサージに行って身体を休めようとも、あなたの内面が癒されなければ、本当の休息はやってこないのです。

そして、そのための最も確実な方法は、あなたの「脳」を休めることなのです。「仕事」で最高のパフォーマンスを上げるために、「休息」にもいまの科学でわかっている最高の方法を取り入れる――そんなふうに意識を変えるきっかけにしていただければ幸いです。

久賀谷 亮(くがや・あきら PhD/MD)
医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経学科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。
2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。
脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。