多様な人事データを蓄積し
分析するプラットフォーム

 従業員への満足度調査を実施している企業は多い。アンケート形式で、定量的・定性的な情報を得る。こうしたESデータをはじめ、各従業員の属性データや勤怠情報、人事に関わるさまざまな情報をタレントパレットに蓄積することでインサイトやヒントを得ることができる。

部署内の社員の労働時間のバランス(中央)の他、一人一人の社員の一日の仕事内容とそれに対する難易度や楽しさなどの評価(左)、さらにはメンバー間の負荷バランスや働き方の傾向(右)などまでひと目で分かる形で表示できる。

 アンケート調査の自由回答などテキスト情報を含めた分析には、顧客の声を分析してきた同社の経験が生かされている。また、勤怠管理などの既存システムからは、必要なデータをタレントパレットに容易に取り込むことができる。

 人事データの収集・分析により、ビジネス上のさまざまな効果が生まれる。社員のモチベーションの状態や離職リスクのモニタリングに活用できる他にも、多くの用途がある。

 例えば、新規プロジェクトをスタートするとき。独創的なアイデアを持つ人材を集めたいが、チームの潤滑油役を担う人材も必要かもしれない。リーダーにはリスクに立ち向かう行動特性や、全体をまとめる能力が必要だろう。プロジェクトが軌道に乗った後には、リスク回避にたけた守備型の人材が求められるかもしれない。チームの組成を考える上で、タレントパレットの分析結果が役立つ。

 採用の参考データとしても有用だ。適性検査の結果を取り込んで分析することで、面接ではより適切かつ深い質問ができるようになる。

「採用などのときに便利なのは、『社員の中の誰に近いか』を示す機能です。応募者と社員一人一人の特性を比較した上で、『営業部門のAさんに最も近い』といった結果が出てきます。具体的な人材像を描けるので、面接の質や採用の精度は高まるでしょう」と鈴村副社長は言う。

「今後は、社員のIDカードやスマートウオッチなどを通じて、人にひも付くIoTデータを取得する企業も増えるでしょう。タレントパレットは、そうしたデータの受け皿にもなります」と三室社長。人事に関わるあらゆるデータを蓄積し、分析するためのプラットフォーム。それが、タレントパレットの目指すビジョンである。