購入意欲をかき立てる
セールストークに信憑性はあるか

「ワンルームマンション投資を年金代わりに」甘い言葉の落とし穴※写真はイメージです

 首都圏でワンルームマンションの分譲が急増している。そのため最近、知人・友人の男性から「新築ワンルームマンション投資の営業を受けているのだが…」と相談を持ちかけられることが多くなった。

 勧誘を受けている人は「営業マンのセールストークは購入意欲をかき立てるもので、説明資料も一見“おトク感満載”に見える。でも、どこかに落とし穴があるような気がするけど、どう思う?」と私に尋ねる。購入意欲をかき立てるセールストークとはどういうものか、みなさんも気になるはず。さっそく見てみよう。

セールストーク(1)
 「利回りは4.2%と高利回り!預貯金はゼロ金利ですから、今こそ、不動産投資です!」

セールストーク(2)
 「35年の家賃保証があるので、空き室があっても家賃収入が途切れることはありません!」

セールストーク(3)
 「ローンを組んで購入したとしても、毎月の返済は家賃収入でほぼ賄えます」

セールストーク(4)
 「ローン完済後は年間100万円の家賃収入が年金代わりになり、これで老後は安心!国の年金はアテになりませんからね~」

セールストーク(5)
 「マンション投資は節税効果がありますから、確定申告をすれば税金が戻ってきます」

 上記5つのうち、「間違いではない」と言えるのは、最後の「マンション投資は節税効果があり、確定申告をすれば税金が戻る」のひとつだけ。その他の4つは、正確な説明とは言えず、突っ込みどころ満載のセールストークである。

表面利回りは4.2%でも、
経費を考慮した実質利回りは2.9%!

 手元に投資用新築ワンルームマンションの説明資料がある。これを使ってセールストークを検証してみよう。浅草に近い場所にある物件で、専有面積は25m2、販売価格は2640万円。一部屋で2500万円を超えるとは、バブル時代の価格水準である。