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モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

日本は自動運転技術で世界覇権を狙えるか

佃 義夫 [佃モビリティ総研代表]
【第39回】 2016年9月23日
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グーグルの自動運転分野への参入は大きなインパクトを与えた Photo:Google Self-Driving Car Project(Google+)

自動運転の覇権を狙う
日米欧の自動車メーカー

 9月23~25日まで「G7長野県・軽井沢交通大臣会合」が開催される。これは、平成27年9月のドイツ・フランクフルトでのG7交通大臣会合における議論を踏まえて開かれるもので、議題として「自動車および道路に関する最新技術の開発・普及」と「交通インフラ整備」等があげられている。参加国は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、EU。その大きなテーマが自動運転ということで注目されている。

 このG7軽井沢交通大臣会合は、開催終了後に大臣宣言が発表されるが、この会合に先立ち、石井啓一国土交通大臣は「日本国内の自動運転に関する技術開発は世界に先行しており、将来にわたってこの立場を維持することが重要。日本の技術を背景とする国際基準を世界の標準にすべく関係方面と連携していきたい」と語っている。

 いまや、自動運転は、次世代エコカーとともにクルマのあり方を変える新たな方向として話題を集め、その成り行きが注目されている。特に日米欧の自動車先進国間では、自動運転にかかわる技術開発や提携・買収を含む競合も激化している。それは自動車メーカーだけでなく、大手部品メーカーに加え、IT企業や、地図サービス企業、半導体企業からAI(人工知能)関連企業にまで波及している。

 それはもちろん、日米欧の自動車メーカーによる自動運転への覇権争いとの見方もあるが、一方で基幹産業である自動車と交通インフラもからんで国家ベースの「世界標準」を勝ち取る競争に結びついている。

 果たして、日本は「チームニッポン」で自動運転の覇権を狙うことができるのだろうか。その対抗軸は、欧州ではドイツであり、ITベンチャー拠点のシリコンバレーを抱えるアメリカである。

 今や、話題の「自動運転」は、新聞・雑誌・TVなどで数多く取り上げられている。言うまでもないが、自動運転とは「認知」「判断」「操作」などこれまでドライバーが行ってきたことをクルマに任せる技術のことを指す。

大きなインパクトを与えた
IT大手、グーグルの参入

 自動運転の技術開発には、過去約20年の歴史がある。そのなかで、特に大きなインパクトを与えたのが米ITの大手、グーグルが2010年に自動運転分野への参入を表明したことだ。

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佃 義夫[佃モビリティ総研代表]

つくだ・よしお/1970年、創刊86周年(2014年2月時点)の歴史を持つ自動車産業日刊専門紙『日刊自動車新聞社』入社、編集局に配属。自動車販売(新車・中古車)・整備担当を皮切りに、部品・物流分野を広域において担当した後、国土交通省・経済産業省など管轄官庁記者クラブ、経団連記者クラブ(自工会分室)と、自動車産業を総合的に網羅し、専任担当記者としてのキャリアを積む。その後、該当編集局内における各分野のデスク・論説担当編集局次長を経て、出版局長として自動車産業オピニオン誌『Mobi21』を創刊。以降、取締役編集局長・常務・専務・代表取締役社長を歴任。45年間の社歴全域で編集・出版全体を担当、同社の「主筆」も務める。日刊自動車新聞社を退任後、2014年に「佃モビリティ総研」を立ち上げ、同総研代表となる。


モビリティ羅針盤~クルマ業界を俯瞰せよ 佃義夫

「自動車」から「モビリティ」の時代へ――。クルマ業界が変貌を遂げつつあるなか、しのぎを削る自動車各社。足もとで好調を続けるクルマ業界の将来性と課題とは、何だろうか。日本の自動車産業・クルマ社会をウオッチしてきた佃義夫が、これまでの経験を踏まえ、業界の今後の方向・日本のクルマ社会の行方・文化のありかたなどについて、幅広く掘り下げ提言していく。

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