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銀行の硬直的人事にフィンテックの影響で変化の兆し

週刊ダイヤモンド編集部
2016年9月26日
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“事件”は三菱東京UFJ銀行を舞台に起こった――
Photo by Takahisa Suzuki

 奇妙なことが起きている――。三菱東京UFJ銀行の中で、それが判明したのは去年の初夏のころだった。実は、三菱東京UFJ銀行が別々の部署で同時期に実施していた、まったく異なる二つの選考において、同一人物が勝ち残っていたことがわかったのだ。

 その選考の一つとは、三菱東京UFJ銀行が開催した「フィンテックチャレンジ2015」というコンテストだ。ここ数年で銀行業界において急速に台頭してきた、金融とテクノロジーの融合を意味する「フィンテック」。それに関する独創的な金融サービスのアイディアを公募して、優れたアイディアについては発案者と共に事業化を検討しようという試みだ。

 そして、もう一つの選考というのが、人材の中途採用だった。こちらも同じく、フィンテックを担当する部署での求人で、コンテストの案件募集と人材募集の時期がたまたま重なっていたのだ。

 その「同一人物」は見事にコンテストの最終選考にまで勝ち進み、それと同時並行で何段階にも及ぶ中途採用の面接試験をくぐり抜け、この時点で中途採用の内定を得る。さらに、コンテストの最終審査会では、優れた親子向け金融教育サービスをお披露目し、なんと大賞まで受賞した。

 三菱東京UFJ銀行はフィンテック人材の獲得において、結果的に「ダブル合格」を出した人物を採用することとなったのだ。

 その人物というのが、三菱東京UFJ銀行のフィンテック部隊である、デジタルイノベーション推進部に採用されることになった林奈津美調査役だ。

 彼女は金融系コンサルティング会社などの職歴を歩み、「フィンテック」という言葉が使われるようになる前から、その分野に興味を募らせていた。

 その理由は大きく二つある。

 一つは、「社会人になって、モバイル端末上で展開されるサービスが世界を変えていくと思っていたが、現時点では全員が同じようなサービスを提供している金融業界には、まだまだ変わる余地があるのではないか」と考えたからだ。

 そして、もう一つは、「お金はすべての人に関わるものなので、よりよいサービスや優れた体験を提供することができれば、社会的なインパクトが大きいと思った」という理由だ。

 そこで、銀行業界の中でいち早く「フィンテック」という言葉で積極的に情報発信していると映った、三菱東京UFJ銀行の「二つの選考」へ同時に応募したのだという。

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