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「食べログ」炎上、口コミサイト情報の危うさ

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第179回】 2016年10月1日
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 飲み会や食事会の誘いがあると、幹事さんは追って連絡すると言い、その後、メールで会場までのアクセス方法と地図を記したURLが送られてくる。簡便になったのはいいが、ネット環境はおろか、携帯電話がない時代を知る世代にすれば、合理的になったような気がする一方、人との関係が無機的になったような感じもしないではない。

 二段落目からいきなりの余談で恐縮だが、私がいまの仕事を始めたとき、大先輩から教わった初めての“文章修業”が、“道順を言葉で表現すること”だった。

 きみのアパートから最寄り駅までを文章にしてごらんと言われて書いてみると、今度は逆に、最寄り駅からアパートまでの道順を書いてごらんと言われた。道順をしっかり文章化できれば、モノ書きとして第一段階は合格だと。

 なので、モノ書きを目指している方はトライしてみてください。街の風景を描写するときや、主人公の目に見える場面を説明するときに案外と役立ちます。モノ書きを目指していない人も、ぜひ。けっこう難しいです、これ。

 駆け出しの頃は完成原稿なんか書かせてもらえないから、取材に行くたびに、その街の描写や企業までの道順を自分なりに文章化して文章修業に励んでいた。いまも当時の癖が残っていて、友人を呼び出したり取材現場でカメラマンと合流するときなどは、予約を入れたお店や合流地点までの道順を長文メールで説明している。そのほうが暖かみがあるように思えるのだが、メールを受け取るほうは迷惑かも。

 という話はさておき、最近は幹事役を任されても、会場選び・お店選びに困ることはほぼなくなった。『食べログ』のようなレストランガイド・グルメサイトが多数あるからである。

 ずっと以前、数は十人前後だが、取材を通して知りあった企業の広報マンらと月に一度くらいの割合で集まり、政治家よろしく異業種間の情報交換とか勉強会という名目の飲み会をよくやっていた。ネットがない時代だが、幹事がまわってくると隠れ家的なお店を持っていなかった私は毎回のように会場選びに腐心していたのを覚えている。

 メガバンクの広報マンが料亭の個室に仲間を集めれば、製菓会社の女性広報スタッフはお洒落なワインバーを選び、ある飲料メーカーの広報マンは自社がスポンサーをしているからという理由で、踊るほうのクラブのVIPルームを宴会場にし、趣向を変えたところでは東京ドームの個室で野球観戦をしながらの食事会を催したこともあった。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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