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帝人が高額買収で本業外の自動車部品に参入した理由

週刊ダイヤモンド編集部
2016年10月4日
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 「だからずっと言ってきたじゃないですか、ティア1になるって」(帝人役員)

 強くて軽い炭素繊維などを使った高機能複合材料を成長の柱に据える繊維大手の帝人が、9月13日、同社として過去最大の買収に乗り出すと発表した。8億2500万ドル(約840億円)をつぎ込む相手先として選んだのは、米国のコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)社。なんと、同業の素材会社ではなく、自動車の部品加工メーカーの大手である。

約840億円という同社として過去最高額での買収を発表した帝人。鈴木純社長は、「自動車向け複合材料製品事業のプラットホームを構築する」と気炎を上げる

 冒頭の役員が語るように、これまでも帝人は炭素繊維・複合材料事業において「自動車メーカーのティア1(1次サプライヤー)になる」と表明してきた。炭素繊維の日系三大メーカーの1社にもかかわらず、「いっそ炭素繊維は外部から調達してもいい」と言い切っていたほど。自社の素材にこだわり過ぎず、顧客のニーズに応じた付加価値のある部品提供に注力することで、自動車向けの受注を増やそうというわけだ。

 しかし、自動車メーカーのティア1になるということは、繊維メーカーにとっては不慣れな部品製造で自動車メーカーの厳しい納期指定や価格交渉に日々さらされるということだ。苦労が目に見えているだけに、ティア1宣言があってもなお、競合他社は「帝人は本気なのか」と訝っていた。今回の買収は、業界からの半信半疑の声を打ち砕き、川下で稼ぐという帝人の決意をより鮮明に知らしめた。

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