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想定上回る北朝鮮のミサイル開発、日本は現状「迎撃困難」

ロイター
2016年10月4日
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10月3日、北朝鮮の弾道ミサイル開発が日本の予想を上回るペースで進んでいる。自衛隊は迎撃ミサイルの能力向上を計画しているが、着手するのは今のところ来年度から。写真は朝鮮中央通信(KCNA)提供(2016年 ロイターKCNA/File Photo via REUTERS.)

[東京 4日 ロイター] - 北朝鮮の弾道ミサイル開発が、日本の予想を上回るペースで進んでいる。自衛隊は迎撃ミサイルの能力向上を計画しているが、着手するのは今のところ来年度から。自衛隊の防御能力を超える撃ち方をされた場合、現状は「迎撃困難」だと、日本の安全保障政策に携わる複数の関係者は口をそろえる。

望みは米国の抑止力

 北朝鮮は今年に入り、計21発の弾道ミサイルを発射。関係者の話を総合すると、日本政府は特に6月22日の「ムスダン」、9月5日の「ノドン」とみられるミサイルの発射手法に懸念を強めている。

 中距離弾ムスダンは米領グアムを射程に収めるが、北朝鮮はこのとき意図的に角度をつけて高く撃つ「ロフテッド軌道」で発射。1000キロを超す高さまで上昇した後、鋭角な放物線を描いて日本海に落下した。「高度1000キロはまさに宇宙空間。現状では撃ち落とすのは難しい」と、日本の政府関係者は言う。

 日本は自国領域に落下が予想される弾道ミサイルに対し、上層と下層で迎撃する二段構えの対応を整備してきた。まず、イージス艦から「SM3」ミサイルを発射し、大気圏外で迎撃。撃ちもらした場合、地上に展開した「PAC3」ミサイルで対処する。

 しかし、現行のSM3は1000キロの高さまで上昇するのは不可能だという。今回のような手法でムスダンを発射された場合、弾道ミサイルの飛行速度が最も落ちる放物線の頂点で迎撃することはできない。「あとは地上に落ちてくるところをPAC3で撃ち落とすしかない」と、自衛隊幹部は話す。

 だが、今のPAC3の性能では、秒速3─7キロで大気圏に再突入してくる中距離弾道ミサイルの速度には対応できない恐れがあるという。

 日本政府は以前から、北朝鮮が2010年代のどこかの時点で、ロフテッド軌道でミサイルを撃てるようになると予想。米国と高度1000キロ以上に到達するSM3改良型の共同開発に取り組み、17年度から量産に入る計画を立てていた。「北朝鮮のミサイル開発は予想していたよりも少しペースが速い」と、別の自衛隊幹部は言う。

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