ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ロボット運用のプロが分析してわかった最強の株式投資法
【第1回】 2016年10月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
加藤浩一

みんなが信じていた株の投資手法はウソだった!?
日本におけるロボット運用の第一人者が
データで検証して白黒つける!

「ゴールデンクロスは買い・デッドクロスは売り」「損切りは早く利は伸ばせ」「セルインメイ(5月売り)」など、株式投資で有効とされている戦略やアノマリーは本当なのか?
データで検証してわかった驚きの結果をまとめた書籍『ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法』の著者・加藤浩一さんによる連載です。
第1回目の今日は、定番の投資戦略を鵜呑みにせず、検証することの大切さについて話を聞きました。

「この手法で儲かる」は本当か? 
検証してみることの大切さ

 株式投資で勝つには「投資戦略」が必要です。

 「この会社がテレビで紹介されていた」とか、「誰それが推奨していたから」というような理由で株を買っていませんか?
 そのようなきっかけでも、たまたま成功することもあるかもしれません。しかし、何年にもわたって成功し続けられるかと言えば――なかなか難しいのではないでしょうか。

加藤浩一(かとう・こういち)1990年代にマイクロソフト社にてWindowsの製品責任者を務める。2003年に早稲田大学の基礎研究を事業化する応用研究所「早稲田情報技術研究所」を設立、代表に就任。ITと金融工学を融合させたプログラムトレーディング技術「カブロボ」を開発し、日本で初めてとなるロボット運用による公募投資信託「日本株ロボット運用投信(愛称カブロボファンド)」を商品化。伝統的な金融工学に、人工知能アルゴリズムなど情報科学分野のアプローチを採り入れる研究を続けている。株式会社早稲田情報技術研究所代表取締役社長、早稲田大学IT戦略研究所招聘研究員、トレード・サイエンス株式会社取締役。早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程中退。

 投資で継続して勝っている人は、必ずと言っていいほど、自分なりの投資戦略を持っています。
 「投資戦略」とは、「いつ買っていつ売る」についての“根拠”が示せることで、「投資法」と言い換えてもいいでしょう。

 一方で、教科書に載っているような投資戦略に基づいて投資をしている人が必ず勝っているかというと、そうでもない。
 「おかしいなあ。投資の本を読んで理解し、忠実に実践しているのだが……」という人も少なくないと思います。

 そういう人にお聞きします。
「本当にその投資法で勝てるかどうか、自分で確認しましたか?」

 その投資法を、たとえば過去10年間、愚直に実践したとして、結果がどうなるかを知っているでしょうか?という質問です。
 実は、そのようなことを確認する方法として「バックテスト」というものがあります。聞いたことがある人もいるでしょう。

残念ながら、「バックテスト」を実際にやっている人はあまりいません。
 なぜなら、それができる個人投資家向けの手軽な環境(ツールのことです)が、日本にはなかったからです。
 あるにはあるのですが、使い方が難しかったり、プログラミングの知識が必要だったりで面倒くさい――。

 実は、今年2016年になって、日本でもバックテストが容易にできるツールが提供されました。実際に、そのツールを用いてバックテストをしてみると、

・「移動平均線のゴールデンクロスで買い・デッドクロスで売る」王道の投資戦略がぜんぜん通用しなかったり、
 ・「節分天井・彼岸底」というアノマリーが実際はまるで正反対であったり、
 ・「損切りは早めにしなさい」という鉄則までもが場合によっては信ずるべきではなかったり

 と、びっくりするような「真実」が見えてきます。

儲かったのは「たまたま」か?
環境変化への耐久性を確かめる

 拙著『ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法』では、「あたりまえ」と思われている投資戦略やアノマリーを検証して、本当にアテになるのかを調べたり、ではどんな投資戦略なら有効なのかを実際のデータにもとづいて探っています。

 本書ではパフォーマンスが良く、安定感のある投資戦略を明らかにもしていますが、真の狙いは、実際に個人投資家のみなさんにバックテストなどの仮説検証によって、「自分なりの自信の持てる投資戦略」を見つけていただくことにあります。

 もちろん、そのようにして選んだ投資戦略が、未知(未来)の相場で有効であるとは限りません。
 「バックテスト」の見逃せない欠点として、「たまたま上手くいっただけの投資戦略を見つけてしまう」ことがあります。
 いわば「答えを見てからババ抜きををする」ようなもので、失敗を都合よく避けて、「これなら100%成功する」ということが言えてしまうわけです。

 しかし、私たちが本当に求めているのは、少しくらい環境や条件が変わっても、大きくパフォーマンスが損なわれない“耐久性のある”投資法でしょう。
 そこで、それを確認するコツも紹介しています。

『ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法』をきっかけに、ひらめきや思い付きでいきなり株を買うのではなく、戦略を立てあらゆる角度で検証してから一歩を踏み出す個人投資家が増えてくれればと思います。

 そうすれば、高値に飛び付いたり、急落で投げ売りしたりして相場に振り回されることなく、またいたずらに資産を減らしてしまうこともなくなるでしょう。

 さて、次回、連載第2回目は、投資家なら誰もが見ているであろう「移動平均線」を使った戦略の真の実力について解説します。
 多くの人が信じているアノ定番の戦略は本当に有効なのか?データで検証してみましょう。

スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
自分の時間を取り戻そう

自分の時間を取り戻そう

ちきりん 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
生産性は、論理的思考と同じように、単なるスキルに止まらず価値観や判断軸ともなる重要なもの。しかし日本のホワイトカラー業務では無視され続け、それが意味のない長時間労働と日本経済低迷の一因となっています。そうした状況を打開するため、超人気ブロガーが生産性の重要性と上げ方を多数の事例とともに解説します。

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


加藤浩一[株式会社早稲田情報技術研究所代表取締役社長]

株式会社早稲田情報技術研究所代表取締役社長
早稲田大学IT戦略研究所招聘研究員
トレード・サイエンス株式会社 取締役

1990年代にマイクロソフト社にてWindowsの製品責任者を務める。2003年に早稲田大
学の基礎研究を事業化する応用研究所「早稲田情報技術研究所」を設立、代表に就
任。
ITと金融工学を融合させたプログラムトレーディング技術「カブロボ」を開発し、日
本で初めてとなるロボット運用による公募投資信託「日本株ロボット運用投信(愛称
カブロボファンド)」を商品化。伝統的な金融工学に、人工知能アルゴリズムなど情
報科学分野のアプローチを採り入れる研究を続けている。
早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程中退。


ロボット運用のプロが分析してわかった最強の株式投資法

「ゴールデンクロスは買い・デッドクロスは売り」
「損切りは早く利は伸ばせ」「セルインメイ(5月売り)」・・・など、
株式投資で有効とされている投資戦略やアノマリーは本当なのか? 
データで検証した結果、王道の投資戦略がまったく通用しなかったり、
常識とされているアノマリーがまるで正反対であるなど
驚きの事実が判明しました。
本連載で詳しく解説します。

「ロボット運用のプロが分析してわかった最強の株式投資法」

⇒バックナンバー一覧