幅広い事業領域の中でも2本柱となるのが情報電子分野と合成樹脂分野で、両分野の合計が連結売上高の約8割を占める。

 情報電子分野の主力である液晶を中心としたフラットパネルディスプレイ材料は、日本のみならず、台湾や韓国、台頭著しい中国などのメーカーにも供給している。

 一方、合成樹脂分野は、プリンターやコピー機といったOA機器、白物家電、自動車部品などに使用される樹脂原料が主力。樹脂ペレットに顔料や添加剤などを配合して供給するコンパウンドは自社工場で製造している。

「商社系のコンパウンダーとしては業界屈指の生産規模を有し、東南アジア、中国に加え、メキシコなど7カ国8工場で現地生産を行っています」(稲畑社長)。この他、食品包材用などフィルム事業の売り上げも伸びている。

 これらの事業も含め、稲畑産業は現在、世界18カ国60拠点余で海外事業を展開。連結売上高に占める海外事業の割合は5割を超え、グループ会社社員の過半数は外国人である。

mexico稲畑社長は定期的に海外出張をして現地スタッフと懇親することで、企業理念や価値観の共有を図っている(写真は、メキシコのIKPlastic Compound Mexico, S.A. de C.V.現地スタッフと)