多彩な事業展開
人材・体制も充実

 化学品では、製紙用薬剤原料のアクリルアマイドや塗料、インキ原料、ITディスプレイ材料、環境対応型印刷材料、潤滑油添加剤原料などを扱う。

 合成樹脂も事業の大きな柱の一つ。自動車部材や建材などを取り扱う。

「量産型のものづくりの現場の多くが海外にシフトしている中で、国内向け取引にはより高い専門性が求められています」と、大友社長。合成樹脂関連業界では、高付加価値の提案型営業でバリューチェーンに貢献する。

 建材では、強みのある断熱材や防水資材などにいっそう力を入れる。金属製品分野は、火力発電用ローターの取り扱いも少なくない。より高温高圧環境下で使用される高品位品は、日本から中国の発電設備メーカーへ輸出し、実績が増えてきた。

 さらには、東欧ボヘミアグラスなど高級ガラス器、陶磁器も取り扱っている。

 

 事業全体の地域別売上高比率は、国内が7割超を占める一方で、海外市場では、中国がおよそ4分の1を占める。

 今後、中国での充実した組織と人材を生かし、現地企業にも積極的にアプローチするとともに、東南アジアへの横展開も実現していく。昨年度設立したタイ、インドネシアの現地法人を通し、さらなるグローバル展開に向けた人材の育成も進める予定だ。

「来年の設立70周年を前に、競争の激しい業界にあって、独立独歩でよく生き抜いてこられたなという感慨があります。これも、お客さまに恵まれ、会社の歴史とともに成長させてもらったからこそだと思います。そのご恩を忘れず、お客さまの真のパートナーであり続けていきたい」と大友社長は襟を正す。

 長期にわたり築かれてきた事業基盤の活用により、着実な成長が期待されるところだ。