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住友生命、運用部門再編 低金利長期化に備え

2016年10月7日

[東京 7日 ロイター] - 住友生命保険は運用部門を全面的に再編し、従来の生保の運用スタンスとは一線を画した積極的な売買を始める。ここ数年減らしていた国内株への投資も検討する。

松本巌執行役員兼運用企画部長はロイターとのインタビューで「低金利が続くなか、しっかりリスクコントールをしながら、リターンをとる文化を作っていく」と語った。

同社は10月3日付で、資金債券運用部と株式運用部を廃止し、ALM証券運用部(ALM運用部)とバランスファンド運用部(バランス運用部)に再編した。一般勘定資産(約27兆円)を、それぞれ異なる運用目標と方針を持つ2つのポートフォリオに分けて、責任を明確化するのが狙い。

ALM(資産と負債の総合管理)運用部は、保険金の確実な支払いのため、保険負債のキャッシュフローに合わせた運用をする。投資対象とする資産を原則、満期保有し、利息・配当収入を得る。

松本氏は「国債だけでは収益があがらないので、クレジット(信用)リスク、流動性リスクをとって、収益の向上をはかる。40年超の保険負債に対してはそれに対応する年限の国債がないため、不動産やインフラ資産をあてる」と説明した。

一方、バランス運用部は、6兆円の資産を運用。保険負債に対応するものではく、相場のサイクルをとらえた機動的な運用を行い、超過収益を目指す。売買を通じたキャピタル益も狙い、含み益も含めた総合利回りで3パーセント弱のリターンを目標とする。3分の2は現在、為替ヘッジ付の外債に投資している。

ALM運用部が月次で計画を実行するのに対して、バランス部は週次で執行サイクルをまわす。株価が下がった局面や円高の局面などを捉え、「逆張り的な運用」もする。

松本氏は、国内株について「ここ10年は大きく買ってこなかったが、その時期は終わった。相場が底にあると判断したら、買えるポジションにあると思う」として、国内株式投資を本格的に再開する考えも示した。

住友生命が運用体制の大幅な変更に踏み切るのには、長期化する低金利環境が背景にある。先月、日銀が打ち出した新たな金融政策の枠組みを「持久戦への構え」と見る市場関係者も多い。

松本氏も「国内金利は低い水準が続くという意味では、われわれには厳しい環境が続く。今の金利水準だと国債を買うのは難しい」と語る。一方、従来、生保にとって日本国債の代替投資先となっていた先進国の国債も為替ヘッジコストも上昇傾向で、投資妙味が薄れている。

そのため、ALM運用でも、より利回りの高い海外社債などへの投資を増やすため、専門人材の育成を急いでいる。外資系金融機関などからの中途採用も積極化している。「この金利環境下では、(従来の投資スタイルへ)引き返すことはできない。それぞれのセクターや個別銘柄の知識と経験を持った人間を育てていくことが必要だ」としている。

(浦中大我)

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