経営×物流

佐川急便と日立物流の資本提携で変わる物流業界の“潮目”

グローバル対応、自動化投資で3年以内に大掛かりな業界再編が進む

 今年3月に発表されたSGホールディングス・佐川急便と日立物流との資本業務提携。陸運業界で国内3位、4位に位置する大手事業者同士の”握手”は、物流業界関係者に大きな衝撃を与えた。

 ある物流企業トップは「号砲が鳴った」と今後業界再編が加速していくことを予想する。

 主戦場がアジアに移る中、企業規模の拡大はグローバルプレーヤーにとって必須の要件となっており、ドライバー不足をはじめとする労働力の制約も再編を促す要因となりつつある。

 再編に向け”潮目”が変わった物流業界の今後の動向を占ってみる。

「3PL+デリバリー」の理想的な補完

左から佐川・荒木社長、SGH町田社長、日立物流・中谷社長(今年3月の発表会見で)

 佐川/日立の資本業務提携の大きな狙いは「3PLとデリバリーの融合」。3PLで国内トップとも言われる日立物流と、ラストワンマイルを含む強固なデリバリー・ネットワークを持つ佐川急便が組むことで、川上から川下までをカバーできる体制を築くことができる。ある業界関係者は「それぞれの得意分野が明確に違い、事業の補完関係としては理想的」と語る。

 両社はともに、今期から新たな中期経営計画がスタートしており、計画期間である3年間で400~500億円規模のシナジー創出を目指している。日立物流はすでに「協創PJ」という組織を立ち上げているほか、佐川も今月、SGホールディングス内に「物流イノベーション室」を立ち上げ、プロジェクトの具体化に向けた動きを加速している。

 具体的にはタイ~ベトナム間でのトラック定期便の拡充、中国からアパレルなどを対象に輸入から国内配送までを一貫で手掛ける”フォワーディング+国内デリバリー”、EC事業者などを対象とした新たな共同物流センターの構築、車両・物流施設の相互利用などを順次、実現していくことになる。

 両社はまず、現在の協業体制の中でシナジー創出に注力していくが、3年を目途に統合を含めた次のステップも検討していくことを明らかにしており、さらに強固な企業グループにステップアップしていく可能性もある。

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1969年10月の創刊から約40年間「経済の中の物流」という視点から一貫した報道を行っている物流業界専門紙。物流報道の中に“荷主”という切り口を持った媒体として評価されている。主な内容は荷主企業の物流動向、行政の物流関連動向、トラック、倉庫、鉄道、海運、航空など物流企業の最新動向、物流機器、WMSソフトなどの関連ニュース等。週2回発行。


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