もっと飛ばしたいならトレーニングは必須

 ただ、飛ばしはフィジカル(肉体)な部分もあって、「芯に当てれば飛びますよ」ってみんな言うけど、それだけじゃない。「芯に当たって飛ぶ」っていうのは、自分の持ってるフィジカルの最大限を利用するってことだよね。だけど、もっと飛ばしたいってなってきたら、ある程度の努力をしないといけないんですよ。最低限、現状を維持していかないと。日々老化が進んでいるし、パワーは減退していってるんだから。

 トレーニングっていうか、僕がここ3年続けてるのは、1月から4月初めまでの3カ月間、もう毎日、犬の散歩をやるときでも外に出るときにでも、必ず素振り用のバットを持っていくんです。時間的にいうと15〜20分ぐらい、900グラムのバットを振りっ放しだから、汗もブワーッて出てくるわけ、真冬に。重いものを振ると何がいいかっていうと、ゴルフに大事なコアマッスルが出来上がるんです。ジムでウェイトトレーニングするほどの効果じゃないんだけど、「自分は振り込んだ」っていうメンタルの部分も鍛えられて、自信にもなるでしょう。

練習場でドライバー100球打てますか

 後は、練習場に行って100球全部ドライバーで打てるか。その体力があったら、間違いなく飛ぶようになります。やってもらうと分かるけど、ドライバーなんて100球のうち80球も打てないから。チャレンジを続けていくうちに体力が出来上がると思います。ただし、いきなりやっちゃ駄目。怪我しないように、事前に十分なストレッチをしてからですよ。

 それとね、速く振るっていうのを感じてほしいから、ドライバーを逆に、ヘッドを持って、グリップの方を振る。そうすると、ドライバーを速く振るって感覚が分かるね。

 ゴルファーって、努力はしないで飛ばしたいって人がほとんどなんだよね。道具を替えて飛ばすっていう方法論ももちろんあるけど、一番大事になってくるのは、振れる力をつくっていくっていうことなんです。

構成・文/マルティックス、村木俊昭撮影/高橋宣仁 、示野友樹
デザイン/マルティックス
撮影協力/千葉バーディクラブ