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焦点:リチウムイオン電池は「爆弾」か、サムスンが課題露呈

2016年10月14日

[シンガポール 13日 ロイター] - 韓国サムスン電子<005930.KS>の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の発火問題で、高性能リチウムイオン電池が抱える安全面の課題が浮き彫りになった。

スマホの登場で消費者の携帯機器の利用度は大幅に上がり、高い性能が求められるようになった。

より小型で稼働時間の長い製品の需要が強まり、メーカーは高性能で安全な電池の開発に向けて限界に挑んでいる。

マサチューセッツ工科大のリサーチャーを経て新興電池メーカーのソリッドエナジーを創設したQichao Hu氏は「電池とは実際のところ、エネルギーを制御したやり方で放出する爆弾だ」と話す。「基本的にすべての電池は安全性の問題を伴う。エネルギーの密度を高め、より高速で充電するほど、爆発発生のハードルは低くなる」という。

ギャラクシーノート7の発火は規模は最大級だが、リチウムイオン電池での問題発生は目新しいことではない。

米消費者製品安全委員会(CPSC)は過去1年間に電池パック、噴射式除雪機、ホバーボード、懐中電灯、電動式リクライニングチェアなどのリコールを発表しているが、いずれもリチウムイオン電池の不具合が原因。2013年にはボーイング787型機でリチウムイオン電池が発火するトラブルも起きている。

リチウムは金属の中で最も比重が軽く、少量で多くのエネルギーを蓄積することが可能で、電池として理想的な素材だ。米化学会社アルベマーレによると、リチウムイオン電池の販売数は2000年には数億個だったが昨年は80億個に達した。

ただエネルギー密度が高いため安全確保の機能を組み込む必要があり、コストが高くなる。このため業界関係者からは、中小メーカーは安全面で手を抜いているとの声も聞かれる。

しかしコンサルタント会社D2ワールドワイドのトニー・オルソン最高経営責任者(CEO)によると、サムスン電子が費用を出し渋った証拠はなく、リチウムイオン電池の問題は安い製品に限ったことではないという。

米CPSCによると、ソニー<6758.T>、 HP<HPQ.N>、東芝<6502.T>、パナソニック<6752.T>の各社はいずれも今年に入って発火問題でラップトップ型パソコンの電池パックをリコールした。

電池の供給元であるパナソニックは、原因は製造過程にあり、すでに問題は解決したとしている。

(Jeremy Wagstaff記者)

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