「インスタ風トンデモ業務報告」部下に足りない力は何かあなたの部下は、写真だけで業務報告してきていませんか?

 Instagramのようなアプリの登場で、スマホで写真を撮って共有する文化が広まりました。さらに、周囲でシェアされる機会が増えたためか、写真のクオリティも大幅にアップしています。

 最近では、スマホで撮影した写真や映像がビジネスの現場で業務報告に活用されることも多くなりました。こうした写真などの方が文章による報告書よりも臨場感があって、わかりやすいのは明らかだからです。

 ただ、写真・映像だけに頼った報告は人材育成において、あまりよい結果にはつながらないようです。では、何が問題になっているのでしょうか?

部下からの業務報告書は
「写真」と「これです」のコメントだけ!

「若手社員に状況報告するように指示したら、添付された写真と簡単なコメントだけがメールで送られてきた。どのように捉えたらいいのだろうか?」

 こう話しながら、頭を抱えているのは中堅化粧品メーカーで営業マネージャーをしているSさん。営業職として、社内ではそれなりに高い評価を得てきた人物です。陳列分析の専門家とも呼ばれ、小まめに取引先をまわり、店舗の陳列状況をメモ。そこから見えてくる課題を分析して、的確な提案をすることで店長の信頼は絶大。大きな注文を続々と獲得して、同期トップクラスでマネージャーに昇進するなど、後輩社員からも憧れの存在でした。

 ところが、管理職になってからの評価はいまひとつ。ここまで過去の成功体験を押し付けることなく、自主性に任せるマネジメントをしていました。この方法で成果が出ればよかったのですが、残念ながら業績は伸び悩み。まさに「名選手、名監督になれず」の典型と社内で揶揄され始めています。担当しているエリアの実績は昨年対比でマイナス。営業部門で下位になるなど低迷しています。ついにSさんの上司である営業部長から、

「このままではマネージャーから降格してもらうことになりかねない。早々に結果を出すために、マネジメントスタイルを変えてもらいたい」

 との注意・指導を受けてしまいました。

 具体的には、部下の行動を細かく把握するために業務報告を定期的にする流れをつくって、徹底してほしいとのこと。これまで、営業マン時代に上司から褒められることはあっても、叱咤を受けたのは初めて。気持ちを落ち込ませる出来事でした。