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甘すぎる伊政府の経済見通し、議会予算局もダメ出し

ロイター
2016年10月17日
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10月13日、イタリア政府は長年、過度に楽観的な成長見通しを示して後で修正を迫られるパターンを繰り返してきた。写真はレンツィ首相。ローマで12日撮影(2016年 ロイター/Tony Gentile)

[ローマ 13日 ロイター] - イタリア政府は長年、過度に楽観的な成長見通しを示して後で修正を迫られるパターンを繰り返してきた。レンツィ首相は先週、今年の見通しの改訂版を公表したが、議会予算局(UPB)は数字が甘すぎるとして承認を拒否するという前代未聞の行動に出た。

 首相は昨年と同様、欧州連合(EU)に財政規則の「柔軟」運用を求めているが、幸先は良くない。2017年予算を巡る欧州委員会との交渉では、経済見通しが楽観的過ぎるという問題に議論が集中しそうだ。

 イタリア政府が毎年4月に公表する複数年の経済・財政見通し(DEF)は2011年から15年まで毎年、翌年の成長率を大幅に高く見積もっていた。過去10年間で見通しを達成できたのは2年だけだった。

 憲法改正の是非を問う国民投票を12月に控えたこの時期、首相は何としても財政引き締めを避けたい意向で、DEFには政治的な計算が働いているようだ。

 トリノ大学のルカ・リコルフィ教授は「予算を拡大したければ、それを正当化するよう経済見通しを引き上げる。政府の見通しは完全に政治的である上、経済モデルを公表していないため不透明でもある」と話した。

改革の効果

 歴代の政権は経済改革を打ち出し、改革が将来の成長率に大きく寄与すると予想してきたが、実現した試しがない。もっとも、改革を実行しなければさらに悪化していた可能性はある。

 例えば2013年には、前年に議会を通過した労働・生産市場改革が15年までに国内総生産(GDP)を1.6%押し上げると見積もっていた。

 しかし実際には13年はマイナス成長で、14年と15年はそれぞれ0.1%、0.7%の低い伸びにとどまった。

 首相が先週提出したDEFの最新改訂版では、改革と景気対策により来年の成長率が従来シナリオの0.6%から約2倍の1.0%に高まることを見込んでいる。

 UPBのジュゼッペ・ピサウロ局長はこの見通しについて、「過度な楽観論」が目立ち、独立系シンクタンクの推計とかけ離れていると指摘した。

(Gavin Jones記者 Giuseppe Fonte記者)

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