新しい技術は、どのような方向に進み、どのような主体が開発をリードするのだろうか?企業動向の観点から見ると、ユニコーン企業が情報分野で技術開発を進めるだろう。アメリカの学生の就職希望先も、ここだ。なお、DAOという新しい企業群が地平線上に姿を現している。

世界をリードする企業を3グループに分類
巨大成熟企業、GAFA、ユニコーン

日米の学生の就職希望先から見える「未来を創る企業」将来の動向を見るための先行指標として、優秀な学生の希望就職先は重要な要素となる

 問題を考えるためのフレームワークとして、まず、世界をリードする企業を次の3つのグループに分類しておこう。

(第1グループ)巨大成熟企業

「フォーチュン500」の上位10社を図表1に示す。この上位にいる巨大企業が第1グループだ。

 売上高は大きいが、成熟企業であるため、成長率は低い。

 中国の国有企業もこの中に入る(State Grid、China National Petroleum、Sinopec Group)。

 日本の大企業もそうだ。日本の場合、経済全体の成長率は、こうした企業の売上高成長率に規定されている。

◆図表1:フォーチュン500の上位10社

日米の学生の就職希望先から見える「未来を創る企業」(資料)Fortune Global 500
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(第2グループ)GAFA

 このグループに入るのは、時価総額が大きい企業である。アメリカの場合は、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)である。

 このリストは、本連載の第2回「日本の情報関連技術の遅れは『企業の閉鎖性』が原因だ」(2016年9月22日)で、図表1として示した(なお、このリストで第6位からあとは第1グループの企業だ)。

 これらは、すべてIT関係の企業であることに注意しよう。