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M&Aで「守り」評価する日本株、規模拡大型には疑心暗鬼

ロイター
2016年10月19日
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10月19日、日本企業による海外企業のM&Aが積極化しているものの、東京株式市場での評価は今ひとつだ。成功例が少ないため、厳しい視線を投げかけられている。写真は東京証券取引所で2012年6月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 19日 ロイター] - 日本企業による海外企業の合併・買収(M&A)が積極化しているものの、東京株式市場での評価は今ひとつだ。成功例が少ないため、厳しい視線を投げかけられている。

 一方、海外企業への事業売却は総じて好評価。最近におけるグローバル経済の停滞感も加わって、「攻め」より「守り」の戦略を評価する構図が浮かび上がっている。

被買収企業狙うファンド

 買収される企業を専門に狙うヘッジファンドがある。バリュー投資の一種だが、近い将来、買収されそうな企業の株式をあらかじめ仕込んでおき、実際に買収が決まれば、そこで売り払う。買収額には通常、プレミアムが乗るため、被買収企業の株価は上がりやすい。

 コマツは7月21日、米鉱山機械メーカーのジョイ・グローバルを約28億9100万ドル(約3036億円)で買収すると発表した。プレミアムは20.5%。ある米ニューヨークベースのヘッジファンドが、この米社の株式を先回りして買っていたと関係者が明かす。

 「買収されるタイミングを見極めるのは難しいが、買収されそうな企業の株価は比較的安いし、買収額にはプレミアムも乗る。一方、買収する側はプレミアム分を稼いで初めて買収は成功となる。どちらの企業を買ったら儲けやすいかは自明だろう」(国内ヘッジファンド)という。

 実際、日本企業による海外企業の買収は、成功例が少ないと言われる。「海外企業のケースと比べ、日本企業が付けるプレミアムはそれほど高いわけではないが、企業文化の違いで買収後の経営がうまくいかないケースが多い」と早稲田大学大学院ファイナンス研究科・客員教授の服部暢達氏は指摘する。企業への強い「帰属性」を求める日本企業のカルチャーに対し、摩擦が起きやすいという。

買収側の企業、市場では厳しい評価も

 マーケットでは、過去の「実績」を参考に判断する参加者が多く、海外企業の買収を打ち出した国内企業の株価は、少なくとも短期ではさえないケースが多い。

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