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アングル:米銀の株式トレーディング苦戦、顧客が債券にシフト

2016年10月20日

[18日 ロイター] - 米大手銀行の株式トレーディングが苦戦を強いられている。これまで第3・四半期決算を発表した各行のうち、ゴールドマン・サックス<GS.N>とJPモルガン・チェース<JPM.N>が小幅の増収を確保したが、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>とシティグループ<C.N>は収入が大きく落ち込んだ。

第3・四半期は銀行の顧客の資金が株式から債券へと戻った。銀行幹部は米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱問題、米連邦準備理事会(FRB)の利上げなどを巡る懸念を、株式トレーディング退潮の要因に挙げた。株式は債券よりリスクが大きいとみられ、市場の不透明感が強い局面では投資家に敬遠される傾向がある。

こうした市場環境に起因する株式トレーディングの減収は一時的と思われ、銀行の事業戦略に影響しないだろうとの声が出ている。

ただ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスの銀行アナリスト、アナ・アルソフ氏は、第3・四半期の株式市場はボラティリティが乏しく、投資家が取引に積極的になる理由は少なかったと指摘。株式トレーディングの落ち込みは、市場にある自然な循環の結果だとの見方を示した。

株式トレーディングは利益率が比較的小さいにもかかわらず、銀行はこれまで積極的に投資してきた。債券商品よりエクイティ関連商品を保有する方が総じて資本規制の適用が緩やかになるからだ。

ノムラのアナリスト、スティーブン・チュバク氏は「エクイティ事業の成長と持続力についてはある程度の不安があるものの、新たな規制の枠組みの面では扱いがかなり銀行にとってフレンドリーだ」と指摘した。

調査会社コアリションによると、銀行業界が獲得した現物株および派生商品、プライムブローカレッジを含めた株式トレーディングの収入は2010─15年に23%増加した一方、債券トレーディングは36%の減収になった。

第3・四半期のトレーディング状況についてバンカメのドノフリオ最高財務責任者(CFO)は、株式が減収しても債券の増収がそれを補ったと強調し、全体としては問題なかったと説明した。

一方で最も重大な事態になっているのは、シティグループかもしれない。経営陣は株式トレーディングにおける世界ランキングを現在の8位ないし9位から5位か6位に引き上げる方針を表明している。ところが第3・四半期の調整後のトレーディング収入は前年同期比で32%減となり、複数の幹部はライバルとの厳しい市場シェア争奪戦などが原因で取り組みの成果がまだ実を結んでいないと認めた。

コルバット最高経営責任者(CEO)は「こうした環境では(成果を出すまでに)少しばかり時間がかかる」と話した。

19日には株式をトレーディングの柱としているモルガン・スタンレー<MS.N>が第3・四半期決算の発表を予定している。

(Olivia Oran記者)

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