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ドラギ氏「段階的縮小協議せず」、12月追加緩和に含み

2016年10月20日

[フランクフルト 20日 ロイター] - ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は20日、成長支援とインフレ押し上げに向け、大規模な資産買い入れを継続することにコミットしているとの立場を示した。市場で浮上していた資産買い入れのテーパリング(段階的縮小)観測を強く否定し、12月の追加緩和の可能性を残した。

買い入れの円滑な実施を確実にするための見直し作業についてはほとんど手掛かりを示さず、スタッフが選択肢として提示したテクニカルな措置を「評価した」と述べるにとどめた。

また資産買い入れの停止や延長について協議しなかったと明らかにした。

総裁は会見で「協議しなかったことについて語ることが時に重要となる。われわれはテーパリング(資産買い入れの段階的縮小)や買い入れ実施を意図する期間について協議しなかった」と語った。

一方で、インフレ率は「極めて大規模な」金融緩和政策の下で加速する見通しだと強調した。向こう数カ月に加速が見込まれるものの、過去の原油安の影響が剥がれ落ちることが主因と説明。「基調のインフレに明確な上昇トレンドの兆しは依然見られない」とし、持続可能か疑わしいとの考えを示唆した。こうした主張は、追加緩和の根拠となる可能性がある。

ただECBの金融政策スタンスに関する決定は、資産買い入れ延長の是非を決める必要がある12月の理事会に委ねられるとした。

さらに総裁は、資産買い入れを期限が来て突然停止する公算は小さく、段階的に縮小するとも語った。何らかの延長に事実上コミットしているとも受け取れる。

総裁が資産買い入れの延長について協議しなかったと発言したことが材料視され、ユーロ/ドルは当初0.5%高の1.1040ドルをつけたが、その後は追加緩和を織り込む動きが強まり、4カ月ぶり安値となる1.0921ドルに沈んだ。

ドラギ総裁は、ユーロ圏経済は引き続き「緩やかながらも安定的に」回復しているとし、金融緩和政策は中銀の予想上回る効果を発揮しているとの認識を表明。「低金利は金融政策の波及を妨げておらず、機能している」とし、超低金利は逆効果との批判を退けた。

また「われわれは極めて大規模な金融緩和を維持することに引き続きコミットしている。これはインフレ率を中期的に2%弱の水準に持続的に回帰させることを確実にするのに必要だ」と語った。

ドラギ総裁は第3・四半期のユーロ圏経済について、第2・四半期と同様、0.3%の成長を見込むとした。ただ見通しに対するリスクは下向きとし、ユーロ圏域外の要因が主に下振れリスクと指摘した。

ECBは会見に先立って行われた理事会で、予想通り主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置くことを決定。上限金利の限界貸出金利と下限金利の中銀預金金利も、それぞれ0.25%、マイナス0.40%で据え置いた。

<追加緩和の可能性>

ロイター調査によると、ECBが12月に資産買い入れを3─6カ月延長するとの見方が大勢だが、追加利下げは見込まれていない。

INGのエコノミスト、カールステン・ブレゼスキ氏は「ECBに量的緩和(QE)延長の用意は整っていない」とし、「ユーロ圏経済は追加緩和を正当化するほど弱くはないが、気軽にテーパリングについて話せるほど強くもなく、だからECBは時間稼ぎしている」と話す。

また「総裁はテーパリングと買い入れ延長の間で絶妙なバランスを取ることで市場の期待を維持しつつ、結果的に長期金利がやや上昇し、混乱を招くことなく買い入れ国債の不足を軽減できるのではないか」とした。

コメルツ銀行のアナリストは資産買い入れの9カ月延長を予想。想定通りなら、現行の買い入れ規定下では、2017年初夏に買い入れ対象のドイツ国債が不足すると分析している。そのため「12月の規定変更は避けられない」とした。

選択肢としては、中銀預金金利を下回る利回りの国債買い入れを禁じる下限規定やECBへの出資比率(キャピタルキー)に応じて買い入れを行う規定を緩和する可能性がある。

*内容を追加して再送します。

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