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日経平均がレンジ上抜け、企業業績の下期回復期待も

2016年10月21日

[東京 21日 ロイター] - 日本株市場では、今年度下期(16年10月―17年3月)以降の業績回復に対する期待が徐々に膨らみつつある。円高の影響で通期業績予想は下方修正含みだが、株価は先を織り込む習性がある。すでに日経平均はレンジ相場を上抜き、約半年ぶりの高値を付けた。9月中間決算で悪材料出尽くしとなれば、上昇相場に弾みが付く可能性もある。

<安川電が利益予想据え置き、広がる安心感>

安川電機<6506.T>が20日に発表した2016年4―9月期決算は事前予想を上回る内容だった。円高の影響で通期の連結売上高予想は下方修正したが、中国市場が回復しているとして通期の利益予想は据え置いた。21日の同社株は朝方から買いが先行し、寄り付き直後に年初来高値を更新。主要企業の先陣を切って発表する同社の決算は注目度が高く、市場にもひとまず安心感が広がっている。

上場企業全体で見ても前年同期比で最も円高の影響が大きい4―9月期は、2ケタ減益が市場コンセンサスとなっているが、為替が1ドル100円近辺で踏み止まれば、今年度下期以降は円高の影響が徐々に薄れ、利益モメンタムは上向くとの見方が増えている。

<下期増益へ、円安進めば上方修正も>

みずほ証券の集計によると、東証1部3月期決算企業(金融、電力、大手商社等を除く)の上期経常利益予想は13.1%減、これに対し下期は同5.2%増益となり、3半期ぶりに増益に転じる見通し。「企業側のコスト削減や構造改革の効果なども表れてくる。少なくとも過度な業績懸念は後退しそうだ」(国内証券)という。業績相場と呼ぶのは時期尚早だが、先回りの買いが入っても不思議ではない。

大和証券が集計するアナリストベースの週次リビジョンインデックス(上方修正―下方修正)は、今週(10月20日まで)分がプラス10.9%となり、今年初めてプラスに転じた。建設、不動産、資源などが上方修正される一方、加工組立、消費サービスの下方修正が減ったことが要因という。

大和証券シニアクオンツアナリストの鈴木政博氏は「足元の株高が業績回復を織り込んでいる可能性はある。米利上げが円安に作用すれば下期にかけて一段と上方修正の見方が増えそうだ」と話している。

<海外勢もウエート調整開始、積極化には距離>

足元では海外投資家が日本株を2週連続で買い越している。海外勢は年初から産油国の財政悪化に伴う売りが先行。その後は目立った動きを見せていなかったが、市場では「業績にフォーカスしながら日本株のアンダーウエートを調整し始めている」(東海東京証券・国内証券営業推進部部長の静間康禎氏)との声も出ている。

だが、海外投資家の買いの勢いはアベノミクス開始時とは程遠い。米連邦準備理事会(FRB)が年内利上げに踏み切れば、世界の株式市場はいったん荒れる可能性がある。市場の一部では、日銀ETF(上場投信)買いで下値が限られる日本株に、リスク回避の目的で資金を移しているに過ぎないとの見方もある。海外投資家の日本株に対するスタンスが積極化するかどうかは、今後の決算発表をもう少し精査する必要がありそうだ。

(河口浩一 編集:石田仁志)

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