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焦点:多国籍企業でブレグジットの影響表面化、ポンド安痛手に

2016年10月21日

[ロンドン 18日 ロイター] - 多国籍企業の間で英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)問題による業績や経営への影響が表面化し始めた。

6月の英国民投票でEU離脱派が勝利した後にポンド安が進行し、英国内の需要も軟化したためで、フォードやHPインク<HPQ.N>といった大手が第3・四半期決算発表時に英国での業績目標の見直しや追加のコスト削減、値上げ、事業縮小などの対応策を次々と打ち出している。

英国民投票の影響を完全に織り込んだ四半期決算は7─9月期分が初めて。国内向けが中心の英企業の業績は底堅いが、外国企業はポンド安で揺れている。

株式仲介会社ピール・ハントのエコノミスト兼ストラテジストのイアン・ウィリアムズ氏は「(英国で稼いだ)ポンドの本国送金にとってマイナスだ」と指摘。企業はポンド安が長期化すると判断すれば英国での投資を凍結したり、削減する可能性があるとした。

インドのタタ・コンサルティングは先週、ポンド急落で利益が損なわれたと投資家に説明した。米電動工具メーカーのスタンレー・ブラック・アンド・デッカー<SWK.N>はポンド安を受けて、為替相場変動による業績への見通しを修正。米玩具メーカーのハスブロ<HAS.O>は17日、ポンド安など為替相場変動で第3・四半期に2500万ドルの損失を被ったと発表した。

アイルランドの格安航空会社(LCC)ライアンエア<RYA.I>も18日、今年の利益伸び率見通しを12%から7%に引き下げ、ポンド安をその原因に挙げた。

<輸出企業にも打撃>

通常ならばポンド安は英国からの輸出には追い風となる。しかし今回は英国で主に輸出品の製造を手掛ける外国企業も打撃を受けている。

英国に工場を持つフォードは先月、ブレグジット後のポンド安と英国の成長鈍化が欧州での利益を圧迫するとの見通しを示した。

フォードの欧州・中東・北アフリカ担当バイスプレジデントのジム・ファーレー氏は、ブレグジットにより今年の利幅が数億ドル規模で縮小し、来年も6億ドルほど落ち込むとの見通しを示した。

多国籍企業の多くはポンド安の影響を値上げで穴埋めする方針を示している。ピール・ハントのウィリアムズ氏は、価格決定力のない企業がブレグジットで最も大きい影響を受けるとみている。

コスト削減の強化で対応しようとしている企業もある。HPインクのキャシー・レスジャク最高財務責任者(CFO)は先週、2017会計年度に生産性の一段の引き上げを図ると表明。デルタ航空<DAL.N>は大西洋航路の輸送能力の削減を発表した。

もっとも、これまでのところ英国での投資削減や拠点の移設といった緊急対応策を打ち出した企業は見当たらず、ブレグジットの推移を見極めようという姿勢が主流だ。

バンク・オブ・アメリカのポール・ドノフリオCFOは17日、「さまざまなシナリオに基づくプランを策定しており、事態の推移を見守る必要がある」と話した。

(Tom Bergin記者)

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