2010年は日本の政治とメディアにとって大変革の年であった。とりわけ伝統的な記者クラブメディアにとっては、いくつもの変化の波の押し寄せた、象徴的な一年でもあった。

 おそらく将来、この2010年こそが、日本にとって、情報の大変革の年として歴史に刻まれることだろう。

 なぜ、そこまで断言できるのか。それは今年、「革命」といってもいいほどの政治とメディアの大改革が日本で進行したからである。

 今回は2010年の最後のコラムということで、政治、とくにメディアの世界で起きた「5つの革命」について振り返ってみる。

原口前総務大臣の政務三役会議開放は
世界にも例のない大英断だった

 1月、原口一博総務大臣の「政務三役会議」のオープン化宣言で衝撃的な一年はスタートした。

 前年、政権交代により、外務省、金融庁などの記者会見が戦後初めて開く、という変化は確かに訪れていた。記者クラブ制度にようやく穴が開いたということでそれも当然に画期的なことに違いはなかった。

 ところが、年明け早々、原口大臣の打ち出したこの政策はそれどころではない。おそらく、かつて世界のどの国の政府もやったことのない完全な形での行政の透明化であったからだ。

 省庁の政策の最高意思決定機関である「政務三役会議」をフルオープンにして、それをメディアのみならず、インターネットで全国民に公開するというやり方には、正直、私自身も度肝を抜かれた。

 そんなことをして果たして政策決定ができるのか、あるいは、なにか危機管理上の問題でも発生するのではないか、と逆に心配したものだった。