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ドゥテルテ大統領の決別発言、米国は良策なく対応に苦慮

ロイター
2016年10月24日
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10月20日、フィリピンのドゥテルテ大統領(写真)が米国に対して敵対的発言を強め、中国を歓迎する姿勢を見せるなか、オバマ政権はその対応に苦慮している。北京で19日撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

[ワシントン 20日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ大統領が米国に対して敵対的発言を強め、中国を歓迎する姿勢を見せるなか、オバマ政権はその対応に苦慮している。米国にとって良い選択肢はほとんどなく、手段も限られているのが現状だ。

 米国政府はここ数ヵ月、ドゥテルテ大統領の反米的な言動に目をつぶってきた。だが同大統領は20日、さらに一歩踏み込んだ。長年の同盟国である米国と「決別」し、中国と再び協力すると表明したのだ。さらには、ロシアとの協力強化をも示唆した。中国とロシアは、米国にとって戦略的な2大ライバルである。

 米大統領選まで3週間を切ったタイミングでドゥテルテ大統領が投じた爆弾発言は、約70年にわたる米比同盟に対する不安をさらに募らせるだけでなく、主張を強める中国への対抗策であるオバマ政権のアジア重視政策を一段と弱める恐れがある。

 具体的には、ドゥテルテ大統領の前任者と米国との間で結ばれた防衛協力強化協定(EDCA)の存続が危ぶまれる可能性がある。同協定により、米軍の艦船、航空機や兵士がフィリピンの基地5カ所を利用することが可能となっており、中国の足元で米国の軍事力を示すには不可欠な取り決めと見られている。

 米当局者によると、オバマ政権はこれまで、大勢の犠牲者を出しているドゥテルテ大統領の「麻薬戦争」について非難を表明する一方で、同大統領の激しい性格に留意し、挑発しないよう慎重に対応してきた。

 過去数ヵ月間、人権問題でドゥテルテ政権をどの程度批判していいものか、米政権内部で活発な議論が繰り広げられ、採用された慎重なトーンは一部の側近が好んだであろうものほど強くなかったと、ある米当局者は匿名で語った。

 「何か言えば、彼(ドゥテルテ大統領)は暴言を吐きまくるので何も言わない方がましなように思える」と、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)で東南アジアプログラムの副ディレクターを務めるマレー・ヒーバート氏は話す。「常に彼を非難することは、米国にとってあまり得策ではない」

 ドゥテルテ大統領が自分の利益にかなうと判断し、米国側に戻ってくる可能性については、米政府内には懐疑的な見方がある。

 「ドゥテルテ氏が、われわれと中国を争わせようとするありがちなゲームを仕掛けていることは明白だ」と、別の米当局者も匿名を条件にこう述べた。

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