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AT&T、ワーナー買収でTVライブ配信事業の優位狙う

ロイター
2016年10月27日
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10月25日、米通信大手AT&Tは、メディア大手タイム・ワーナー買収を通じて、インターネット経由のテレビ番組ライブ配信事業における契約者獲得で優位に立てるとの目算をはじいている。写真はワーナーのロゴ。NY市で23日撮影(2016年 ロイター/Stephanie Keith)

[ロサンゼルス 25日 ロイター] - 米通信大手AT&Tは、メディア大手タイム・ワーナー買収を通じて、インターネット経由のテレビ番組ライブ配信事業における契約者獲得で優位に立てるとの目算をはじいている。新たな市場として、まさに激しい競争が始まろうとしているのがこの分野だ。

 AT&Tは来月、従来のケーブルテレビ(CATV)で主に視聴されきた一連の番組をライブストリーミング配信で提供するサービスの「ディレクTVナウ」を開始する。年齢が比較的若くモバイル機器に慣れ親しんでいて、より安い料金を求めている消費者の取り込みを狙っている。

 だが視聴者の争奪戦はし烈になるだろう。ディッシュ・ネットワークはこの種のサービスを既に提供しており、12のチャンネルのセット料金は毎月20ドル。ソニーのプレイステーションヴューは、最大100チャンネルで月額55ドルという設定。

 AT&Tのスティーブンソン最高経営責任者(CEO)は25日、ディレクTVナウの料金はその中間の月額35ドルで、100チャンネル強を楽しめると説明した。

 来年初めにはフールーやアルファベットのユーチューブも似たようなサービスを始める見通し。各メディアの報道では、アマゾン・ドット・コムとアップルもこうしたサービスを検討中という。

 CREATVメディアのピーター・クサシーCEOは「これらのサービスはすべて最終的に同じ場所へたどり着きたがっている。すべての動画を視聴する先になりたいのだ。これは完全な戦争だ」と述べた。

 足元ではライブストリーミング配信の契約者は、CATVの視聴者に比べれば少ない。SNLケーガンの推計では、今年末時点のライブストリーミング配信契約者数は約150万人。有料テレビ契約者は9850万人に上る。

 しかしこれからライブストリーミング配信の契約は急拡大が見込まれ、だからこそ各社が参入している。

 ライブストリーミング配信の長所としては、契約の簡単さが挙げられる。ネットで加入できて、ケーブルや衛星放送の受信設備を設置する必要はない。

 パークス・アソシエーツのアナリスト、グレン・ハワー氏は、いつでも解約可能できる気軽さが反響を呼んでいるとの見方を示す。もっとも企業にとっては、逆に契約者がすぐに逃げ出す可能性もあるということで、顧客を長期的につなぎとめるというのが難しい課題になっているという。

 AT&TのスティーブンソンCEOは、ディレクTVナウをタイム・ワーナー買収に基づく「将来構想を大きくけん引する要素」と呼び、期待を寄せる。すぐにコンテンツが拡充できるだけでなく、番組の情報を友人同士で共有できるサービスや、視聴者の関心がある分野に的を絞った広告を提供するといった新たな取り組みも視野に入っている。

 ただ一部のアナリストは、通信とコンテンツという「二兎」をうまくつかまえられるかどうか疑問を投げかけている。

 コーエン・アンド・カンパニーのアナリスト、ダグ・クロイツ氏は「それぞれの分野で卓越していた企業が1つになった後、両方で成功できる確率は非常に低い。いずれの分野も今1つならば、恐らくはどちらか1つでうまくいくよりも好ましくない事業プランだろう」と指摘した。

 パークス・アソシエーツのハワー氏は、顧客獲得競争に勝つ鍵はサービスでどれだけ差別化を図れるかだと強調した。

 (Lisa Richwine記者)

 

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