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アングル:英国の日産支援、他社もブレグジット時の確約要求

2016年11月1日

[ロンドン 28日 ロイター] - 英政府が日産自動車<7201.T>に対して投資つなぎとめ策を講じたことで、他の自動車メーカーが英政府に同様の措置を確約するよう求めて押し寄せている。

自動車製造とエンジン製造でそれぞれ英最大のジャガー・ランドローバー(JLR)と米フォード<F.N>は、いずれも日産が英サンダーランド工場での新型車製造を決めたとの報道を歓迎。英国が欧州連合(EU)単一市場のアクセスを失って関税を課されるリスクを避けることが不可欠なのは同じだと訴えた。

フォードは英政府が日産に与えたのと同じ確約を望んでいると表明。欧州・中東・アフリカ担当バイスプレジデントのジム・ファーレー氏は「英政府が自動車業界で勝者と敗者をえり分けるようなことをするとは考えられない。政府が企業ごとに対応を変えることはあり得ない」と述べた。

英国の大手自動車メーカーはほぼ全てが外国企業の傘下にあり、JLRもインドのタタ・モーターズ<TAMO.NS>が保有している。いずれも輸出の半分以上がEU加盟国向けであり、英国のEU離脱は英自動車業界の先行きにとって大きな不安要因だ。

米ゼネラル・モーターズ(GM)の英工場存続にかかわったビンス・ケーブル元民間企業・技術革新・技能相はロイターとのインタビューで「英国はEUの単一市場と関税同盟にとどまるのだという確信がGMをつなぎとめる上で重要な要因の1つになった」と説明。自動車業界の不安の払しょくにとっては関税同盟の維持が最も有効だとの見方を示した。

英政府が日産と交わした取り決めの内容は明らかになっていない。しかしこうした動きが表面化したことで、英国がEU離脱に備えるにあたり輸出企業をなだめる、より介入的なアプローチへと大きく舵を切るのではないかとの見方が浮上している。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会の元委員でプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のアドバイザーを務めるアンドルー・センタンス氏は「今回の案件自体は大きな問題ではないだろう。しかし今後政府は徐々に個々の案件や交渉に対して、従来よりも介入姿勢を強めていく可能性がある」と話した。

英国はフランスやドイツなどのような介入的な政策から距離を置き、柔軟な労働市場、低い税率などで外国からの投資を誘致してきた。

しかし英国民投票でEU離脱派が勝利した衝撃は、英国の対企業政策の激変を告げるものとなった。

(Kate Holton記者、Costas Pitas記者)

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