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EU離脱時対応、医薬・航空業界も英政府に要請

ロイター
2016年11月2日
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10月31日、英政府が日産自動車に対してEU離脱時の政策対応を確約したことで、英国で自動車と並ぶ主力産業である医薬品と航空の2業界が政府への圧力を強めている。写真は、英製薬大手アストラゼネカのロゴ。ロンドンで2014年4月撮影(2016年 ロイター/Stefan Wermuth)

[ロンドン 31日 ロイター] - 英政府が日産自動車に対して欧州連合(EU)離脱時の政策対応を確約したことで、英国で自動車と並ぶ主力産業である医薬品と航空の2業界が政府への圧力を強めている。

 業界筋によると、クラーク英ビジネス・エネルギー・産業戦略相が日産に書面で対応を請け合った後に、両業界も攻勢に出た。

 医薬品業界と航空業界が英EU離脱時の貿易障壁に懸念を抱いているのは自動車業界と同じだ。ただ規制や海外人材の採用、EUの科学助成などを深く憂慮している点は異なる。

 グラクソ・スミスクラインとアストラゼネカの英製薬大手2社の最高経営責任者(CEO)が共同議長を務める生命科学に関するグループは、11月23日に閣僚と会合を持つ予定。この時に医薬品業界側は最優先課題の具体的な内容を説明する。

 英バイオ産業協会(BIA)のスティーブ・ベーツCEOは政府の日産への対応について「業界の声に耳を傾ける」姿勢の表れだと指摘。その上で医薬品業界の要望は自動車業界とはやや異なり、研究・開発(R&D)の適切な環境確保に大きな重点が置かれているとした。

 「医薬品やバイオテクの面でわれわれは長期的な発展のための基盤を求めている。対象はサンダーランドの1自動車工場という単純なものではない」という。

 航空機大手エアバス・グループの英法人の社長を務めるポール・カーン氏も先週、「首相は自動車メーカーが(ブレグジットで)悪影響を受けないことを請け合ったと報じられている。われわれも結束し、航空・防衛・宇宙業界の訴えも同じように聞いてもらうようにすべきだ」と話した。

 エアバスのほか、航空機エンジンのロールスロイス、防衛のBAEシステムズなどは英国の主力輸出企業だ。

 医薬品と航空の両業界は、ブレグジットにより英国がEUの規制制度から外れてしまい、欧州などへの販売に支障が出ることを不安視している。

 現在、医薬品は欧州医薬品審査庁(EMA)、航空関連は欧州航空安全局(EASA)からいったんお墨付きを得れば、メーカーは欧州でスムースに製品を販売できる。

 英国がEUから離脱すると、英国の医薬品市場は小さいため英医薬品会社の特許承認申請が後回しにされのではないと英医薬品会社は危惧している。

 このほかEUの科学助成金での格差、欧州の大学との研究開発面での提携、サプライチェーンの統合などにも影響が出てくる恐れがあるという。

(Ben Hirschler記者、Sarah Young記者)

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