坪田先生は、もしかして「達成者タイプ」ですか?

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』は、21世紀の『ソフィーの世界』だ【原田まりる×坪田信貴(前編)】坪田信貴(つぼた・のぶたか)坪田塾 塾長。これまでに1300人以上の子どもたちを個別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。「地頭が悪い子などいない。ただ、学習進度が遅れているだけ。なので、遅れた地点からやり直せば、低偏差値の子でも1~2年で有名大学、難関大学への合格は可能となる」という信念のもと、学生の学力の全体的な底上げを目指す。

坪田 おかげさまで『ビリギャル』の後、たくさん講演会に呼んでいただきまして、秋田と山形以外は、全都道府県に行ったんです。しかも各県に3、4回ほど。合計13万人ぐらいの方が来てくださったんですが、多くの方から受ける質問が、塾の面談室で聞いていた話とほぼ同じなんですよね。

原田 どんな質問だったのですか?

坪田 たとえば、学生からは「私、頭が悪いんですけど、どうしたら頭がよくなれますか?」とかね。でも、頭が悪いんじゃなくて、テストの成績が悪いだけ。頭のいい悪いと、テストの成績はイコールじゃないということに気づいていないんですね。親御さんからも、「お兄ちゃんは優秀なのに弟は全然ダメ。同じように接しているのに何でこんなに違うんだ」みたいなことをよく言われるのですが、違う個性を持っているのだからそんなの当たり前じゃないですかという話なんですよね。

原田 確かに……。

坪田 でも、東京でも青森でも香川でも、どこでも同じようなことを言われるんですね。ならば本だったら、広く皆さんに伝えられるんじゃないかと思ったんです。一人ひとり、個性は違う。本当は70億人いれば、70億タイプに分けられるのだろうけれど、せめて9タイプぐらいに分けて考え、対応できればいいなと思い、この本を書きました。

原田 なるほど、そうだったんですね。…坪田先生は、もしかして「達成者タイプ」ですか?(編集部注:本著の中では「競争心が強く、上昇志向を強く持って、目標へ向かって頑張ることが得意な人」と紹介されています)

坪田 達成者の要素もかなり強いですが、実は「楽天家タイプ」です。

原田 楽天家ですか!物腰がスマートなので、達成者かと。