原田さんの本は、二次元の話っぽさがあって、読みながら頭の中で勝手にアニメ化されて再生されていたんですよ。

坪田 (笑)。そういえば、少し前に『超訳ニーチェの言葉』という本が売れましたよね。あれ、僕はすごくいい本だと思うし生徒に読ませたこともあるんだけれど、ちょっと前向きすぎるんですよね。わかります?

原田 わかります。ちょっと世の中を斜に見ている子には、綺麗すぎる文言といいますか。

坪田 そうなんですよ。楽天家タイプの人だったら、あの本を読んで「わあ、この言葉すごくいい!」って思えるんでしょうけれど、本来ニーチェの言葉が刺さるのってそういう人じゃないと思うんですよね。

原田 そうですよね。まさにルサンチマンに刺さるものですもんね。

坪田 そうそうそう!原田さんの本は、二次元の話っぽさがあって、読みながら頭の中で勝手にアニメ化されて再生されていたんですよ。なのに、すごくリアルだという。…僕、どちらかというと哲学マニアで、哲学を柔らかく表現されるとイヤだと思うタイプなんだけど、原田さんの本には全く違和感を覚えなかったんですよ。本格派の哲学書でもありながら、17歳の女の子でも理解できるという、この両方を兼ね備えているのがすごいなと、心から思います。

原田 ありがとうございます!でも、自分が17歳という年齢と離れすぎてしまって、ギャグが古くて…40歳ぐらいの人が見て面白いと感じるギャグになっているのがちょっと(笑)。

坪田 そもそも今の17歳の子は、「ギャグ」って言葉使わないです。うちの生徒に言ったら「は?」って返されますよ……。(笑)
 

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』は、21世紀の『ソフィーの世界』だ【原田まりる×坪田信貴(前編)】そもそも今の17歳の子は、「ギャグ」って言葉使わないです。うちの生徒に言ったら「は?」って返されますよ……。(笑)