ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
藤井英敏 株式市場サバイバル!
【第112回】 2011年1月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤井英敏 [カブ知恵代表取締役]

欧州問題はウンザリだが、目先は国内勢の持ち合い解消売りを懸念

 財政状況が悪化しているポルトガルに対し、ドイツとフランスが欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に早期に支援を要請するよう圧力をかけているようです。独仏は、スペインへの飛び火を恐れており、ポルトガルで歯止めをかけるべく、支援を要請するなら早い方がいいと考えてのことだそうです。

南欧問題は「大山鳴動して鼠一匹」

 一部報道では、フィンランドやオランダも独仏の方針を支持しており、緊急融資額は最大800億ユーロ(約8兆6000億円)にのぼると伝えています。ただし、ポルトガルのソクラテス首相は報道を否定しているそうです。

 このような状況を反映し、ポルトガルの国債10年物利回りは7%程度で推移し、10年11月末に付けたユーロ導入後の最高水準に上昇しています。また、スペインの国債10年物の利回りは5%台半ばと高止まりしています。

 この南欧の財務懸念に関しては、個人的には、いいかげんウンザリです。しかし、ポルトガルとスペインは4月に多額の国債償還を控え、償還資金を市場で円滑に調達できるか注目を集めています。ウンザリな話題ですが、今後も折に触れ、このような懸念が強まり、世界の金融市場を騒がせることでしょう。

 なお、欧州政策当局はこの問題に関して、従来通り適切に対応するでしょう。このため、南欧問題は、しょせん、「大山鳴動して鼠一匹」という感じで眺めておけばよいと思います。

国内保険会社の「持ち合い解消売り」が進む

 ところで、東京株式市場では、需給的には、国内勢の売りが継続する見通しです。2010年の投資部門別売買動向では、個人は2年連続で売り越し、売越額は2兆2771億円と、09年の8666億円から2.6倍に膨らみました。個人投資家の日本株離れが鮮明になっています。まあ、儲かり難い相場が続いていますので、当然といえば当然の結果なのでしょうが。

 また、金融庁は、保険会社の支払い能力を示す「ソルベンシー・マージン比率」の計算法を12年3月期から厳格化する方針です。このため、生保・損保各社は株式の保有量圧縮を急ぎ、取引先との持ち合い解消売りを出しました。この結果、生保・損保は3年連続の売り越しで、2010年は6317億円の売り越し(09年は4182億円の売り越し)でした。

 さらに、都銀・地銀等が2450億円と4年連続で売り越し、事業法人は2731億円で、2年連続で売り越しました。これも、大部分は持合い解消売りでしょう。この持合い解消売りは、3月決算を控え、今後加速する可能性が高いとみておく必要があります。

米国株式市場が堅調なら外国人買いは続くが……

 一方、外国人は米国が追加緩和に踏み切った10年11月第1週から12月第5週(27~30日)まで9週連続で日本株を買い越しています。この間の買い越し額は約9500億円です。外国人は昨年、年間では2年連続で買い越しました。買越額は3兆2104億円の買い越し(前年は1兆7775億円)でした。

 外国人投資家の買いは、米国株式市場が大崩れしない限り続くと考えます。米国株は、QE2(量的金融緩和第二弾)とブッシュ減税延長効果で、底堅い動きが期待できます。よって、外国人投資家の日本株買いも継続するでしょう。

記事の続きを読む

Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事


DOLSpecial

underline
昨日のランキング
直近1時間のランキング

話題の記事


藤井英敏 [カブ知恵代表取締役]

早稲田大学政経学部卒。日興證券、フィスコ等を経て05年に「カブ知恵」を設立。説得力のある解説で個人投資家に絶大な人気を誇る。雑誌「ダイヤモンド・ザイ」で2000年創刊時からレギュラーアナリストとして活躍。


藤井英敏 株式市場サバイバル!

「100年に1度」の急変相場を生き残る! 個人投資家から絶大な支持を得ている筆者が、相場状況に応じた投資スタンスを毎週直伝します。

「藤井英敏 株式市場サバイバル!」

⇒バックナンバー一覧