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薄らぐ日本株の割安感、米大統領選後の株高シナリオに暗雲

ロイター
2016年11月8日
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11月8日、日本株の割安感が薄らいでいる。9月期決算発表前と株価の水準はほぼ変わらないものの、業績予想の下方修正が相次ぎ、予想EPS(1株当たり利益)が下がったためだ。写真はテレビ演説するヒラリー候補を映し出すスクリーン。都内の為替取引会社で撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] - 日本株の割安感が薄らいでいる。9月期決算発表前と株価の水準はほぼ変わらないものの、業績予想の下方修正が相次ぎ、予想EPS(1株当たり利益)が下がったためだ。日経平均の予想PER(株価収益率)は一時、半年ぶりの高水準に上昇した。下期以降の業績改善期待も高まらず、米大統領選後の株高シナリオに暗雲が立ち込めている。

クリントン氏勝利でも、上値限定的か

 決算発表シーズン前に14倍台前半だった日経平均の予想PERは、11月1日に一時15倍台を付けた。15倍台の回復は5月10日以来、約半年ぶり。足元は再び14倍台後半となっているが、割安感はもはや乏しい。

 バリュエーションが上昇する要因は、株価の上昇か業績(EPS)の悪化のどちらかだが、9月中間期の決算発表シーズンの幕開けとなった10月20日の水準に比べると、日経平均は8日時点で0.37%安。米大統領選で途中乱高下したが、ほぼ変わらずの水準となっている。

 足元におけるPERの上昇は、業績悪化が要因だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングの集計によると、東証1部の3月期決算企業の今年度純利益(4日時点で金融除く)は、前年度比0.7%増予想。事前予想の5.4%増から増益幅を縮めたことで、予想EPSが低下、バリュエーションが上昇した。

 通期の業績予想(経常利益ベース)を下方修正した企業は24.4%。上方修正の16.5%を上回った。純利益はかろうじて増益予想を維持しているが、売上高予想は4.4%減、「本業の稼ぎ」を示す営業利益は今期7.8%減の予想だ。

 ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏は「業績面から見ると日本株に割安さはない」と指摘。「PER16倍台に向けて、一気に買い上がることにはならないだろう」とし、米大統領選でクリントン氏が勝利したとしても、上値余地は限られるとの見方を示している。

株価はコスト削減などを評価

 こうした先行きの不安感を反映し、市場は業績動向に神経質になっている。

 村田製作所やホンダ、パナソニックなど外需関連で、株価が軟調な銘柄が目立つ。年度当初からの円高進行は止まっているが「過去に構造改革を進めた電機大手も業績は為替頼みの印象が残っており、トップラインの伸びが見込みにくい。自動車関連は米国市場の勢いに陰りがみられ、円安に頼らなければ稼げない企業であれば買いにくい」(国内投信)という。

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