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米大統領選、業績悪化企業には「格好の口実」に

ロイター
2016年11月9日
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11月7日、最近の四半期決算発表では、消費者が大荒れの米大統領選に気を取られて買い物を後回しにしたため業績が悪化したと説明する米企業幹部が少なくない。写真は、クリントン、トランプ両候補をモチーフにしたミント商品。カリフォルニア州で10月撮影(2016年 ロイター/Mario Anzuoni)

[ニューヨーク 7日 ロイター] - 最近の四半期決算発表では、消費者が大荒れの米大統領選に気を取られて買い物を後回しにしたため業績が悪化したと説明する米企業幹部が少なくない。

 確かに大統領選は民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補が罵り合いを繰り広げて波乱続きだ。だが、それでも業績不振の原因に大統領選を挙げるのは単なる言い訳で、消費への実際の影響を疑問視する声も聞こえる。

 ロイターの分析によると、10月初旬以降に四半期決算のアナリスト向け説明会で米大統領選に触れた経営幹部は80人強に上る。多くの場合は長期間にわたる選挙戦の業績への影響についての質問に答える形で選挙に言及した。しかし消費の落ち込みや設備投資の面から大統領選に触れるケースもあった。

 例えば家電大手ワールプールのジェフ・フェッティグ最高経営責任者(CEO)は先月、売上高が前年比で0.5%程度減少した理由として大統領選に言及。「消費者の信頼感が低下したためで、これは大統領選に関心が集まったのが原因だ」と発言した。

 ダンキン・ブランズ・グループのナイジェル・トラビスCEOも、フランチャイズ運営者が大統領選が決着して規制や最低賃金に関する法律への影響がはっきりするまで新規開店に消極的な姿勢になっていると指摘した。

 このほか家具・室内装飾品のイーサン・アレン・インテリアズ 、人材派遣サービスのロバート・ハーフ・インターナショナル、ホテルチェーンのヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスなどの幹部が、事業環境を論じる際に大統領選が重圧だったと述べた。

 もっとも有権者が候補者の公約を話半分に聞くのと同じように、一部の投資家は大統領選に絡むリスクを真に受けていないし、そうした態度は企業経営者にすらみられる。

 ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式取引担当マネジングディレクターのマイケル・ジェームズ氏は「業績がさえなかった企業は便利な口実を探しており、大統領選はまったくタイミング的にぴったりで、おあつらえ向きだ。(しかし)本当かどうかは議論の余地があり、私は眉につばをつけて聞いている」と突き放した。

 キングズビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏も「大統領選が消費者の買い物行動を止めるような力を発揮したとは考えられない」と話す。

 スプレーなどを製造するグラコのパトリック・マクヘールCEOはアナリスト向け電話会議で、大統領選を理由に投資を棚上げにした顧客は1件たりとも耳にしていないと断言。「投資を行うつもりだったが、大統領選の結果を見極めたいので見送ったなどという者が社内にいたら、解雇するだろう」と述べた。

(Caroline Valetkevitch記者、Lewis Krauskopf記者)

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