NHK会長人事が大揺れに揺れています。ただ、報道ではNHKの経営委員会の問題ばかりが指摘されていますが、本当にそうでしょうか。民主党政権のだらしなさも多少は影響しているのではないでしょうか。

経営委員会の対応は論外

 まず、経緯をざっとおさらいしましょう。

 NHKの経営を監督する組織である経営委員会は、NHK会長を選任する権限も有しており、現会長の福地氏の任期が今月24日に満了となるため、次期会長探しを行なってきました。

 昨年12月の段階で小丸経営委員長から安西氏(元慶応大学塾長)に「経営委員会の総意として」会長就任を依頼し、安西氏は受諾したのですが、12月末に「会長就任に当たって3条件を要求」といった記事がメディアに出ると、1月5日の経営委員会の非公式会合では一転して就任反対の声が強まり、安西氏の就任辞退に至りました。

 福地氏に再任を受ける意思はないため、あと10日足らずの間に次の会長候補を決めなくてはならず、臨時で経営委員会を2回開催する予定になっていますが、なぜこのような無様なことになったかと言うと、小丸経営委員長のみならず、経営委員会全体に最大の責任があることは間違いありません。

 会長就任を一度依頼しながら、メディア情報で簡単に判断を翻したことはもちろんですが、それに加え、二つの問題があります。

 第一に、メディアへのリークはNHK内から流出しています。内部の特定の人たちが明確に安西潰しを狙って仕掛けていますので、経営委員にも直接根回ししたかもしれません。経営委員は、その人たちがどのような意図でリークしたのか、その意図は正しいのかを考えたのでしょうか。

 私のところには、NHK内の特定の派閥の人たちが復権を狙って仕掛けたという情報が来ています。もしそれが本当なら、それに踊らされた経営委員たちは、安西氏について間違った判断をしたのかもしれないのではないでしょうか。