ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

「トランプ米大統領」に驚き、TPPの先行き懸念=経済界の反響

2016年11月9日

[東京 9日 ロイター] - 米国大統領選で、当初劣勢が伝えられていた共和党候補のドナルド・トランプ氏が当選する見通しになったことについて、日本の経済界からは「驚き」、「先行き不透明」、「日米関係への理解を期待」などのコメントが相次いだ。

経済同友会の小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス<4188.T>会長)は「英国のブレグジット(EU離脱決定)と同様、その結果について驚きをもって受け止めている」とのコメントを書面で発表。「トランプ氏が大統領に就任したとしても、『トランプ現象』の背景にある(経済格差という)根本的な原因に対処するには、相当の時間がかかるだろう」と指摘した。

同氏はまた、記者団に対し、懸案となっている環太平洋連携協定(TPP)の承認問題について「厳しい。かなり悲観せざるを得ない」との見方を示し、日本政府に対し、米国の新政権との円滑なコミュニケーションをとるよう求めた。

日本経団連の榊原定征会長(東レ<3402.T>相談役最高顧問)は記者団に対し、トランプ氏の豊富なビジネス経験、副大統領候補であるペンス氏の長年の政治経験に触れ、「バランスのとれたコンビ。ビジネスの立場から日米関係の重要性は十分に理解してもらえると思っている」と述べた。

ただ、新政権との人脈については、「クリントン候補とはいろいろな面で政治経済、いろいろなルートがあるが、トランプ候補の場合、今の所は全くない状態」とし、「経済界としてもパイプ作り、いろいろな対話ができる場を作って行きたい」と日本からの発信強化の必要性を強調した。

その他の首脳の主な発言は以下の通り。

小林栄三・日本貿易会会長(伊藤忠<8001.T>商事会長):

トランプ氏の実業家としての豊富な経験を活かし、柔軟で現実的な政策が推進されることを期待する。日本を始め、世界各国との連携をさらに強化し、世界経済の安定と成長に向けて力強いリーダーシップを発揮されることを望む。

新浪剛史・サントリーホールディングス[SUNTH.UL]社長:

日米両国の関係は政治・経済の両面において、お互いにとって最も重要な関係であるということは動かしがたい事実だ。両国間の戦略的か

つ互恵的なパートナシップを政府と民間がともにより深化させていくこ

とが重要。新政権には内向きなアメリカとなることなく、とりわけ通商政策については、お互いウィン・ウィンとなる貿易投資関係を構築できるよう期待したい。

根岸 秋男・生命保険協会長(明治安田生命代表執行役社長 ):

トランプ氏が勝利したことで、マーケットにおいては先行きの不透明感を嫌気してリスク回避の動きが強まっている。対外強硬路線が日本に与える影響についても懸念されるところである。しかし、同氏が提唱する所得税および法人税の減税とインフラ投資支出拡大を通じた財政政策は、経済成長を高めると見ており、今後、具体的にどのような政策を打ち出していくのかを注視したい。

磯崎功典・キリンホールディングス<2503.T>社長:

米国の政治・経済の先行き不透明感が高まることを懸念しており、今後の政策に注目する。今回の選挙を通じて、想像以上に米国の雇用不安、格差問題が顕在化した。世界情勢も不安定な中、 日米両国が協力して世界の社会・経済の発展に取り組むことを期待する。

日比野隆司・大和証券グループ本社<8601.T> 社長:

トランプ氏の当選は想定外であったため、ブレグジットと同様、日本市場は株式、為替共にややパニック的な大きなリアクションとなった。株式市場は時間の経過とともに落ち着きを取り戻すのではないか。

今後の焦点は、新政権の顔ぶれやトランプ氏の政策を見極めるプロセスに入る。選挙戦の時の過激な発言と異なり、現実的で調和のとれた政策を期待する。また、日本政府がトランプ政権との強固なパイプを早期に構築することを期待したい。

永井浩二・野村ホールディングス<8604.T>グループCEO:

対新興国、資源国通貨に対してドル高が進む可能性があるが、少なくとも短期的には対円でドル安圧力が強まる公算が大きい。金融市場での先行き不透明感が高まり、米国利上げのさらなる後ずれにつながることも予想される。短期的には円高、日本の株安につながり得るが、市場の混乱は長期化しないと考えている。

*コメントを追加しました。

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


ロイター発 新着ニュース

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 新着ニュース」

⇒バックナンバー一覧